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果実酒・梅酒にホワイトリカーを使う理由


果実酒・梅酒にホワイトリカーを使う理由

ホワイトリカー

ホワイトリカーの主張の無さを使う理由に挙げている人が多い。果実の風味が素直に出やすいというものだ。果実酒とはそれくらい弱弱しいマイルドなものなのだ。純粋に果実の風味(味・香り)を楽しむにはホワイトリカーがベストなのだ。

ところが一方で、

ホワイトリカーほど酒として魅力の無いものは無い。美味い酒に漬け込んで熟成した方が独特の風味が醸し出されてはるかに美味しいのだという主張もあります。



面白いですね。両方とも正しいのです。問題は何(どのような味)を求めるかです。両方とも作って飲んでみて好きな方を取れば良いだけです。どのような酒とあわせるかで答えはいろいろ出てきそうです。正にそれが自家製果実酒の魅力では無いでしょうか。


  1. ホワイトリカー35度
    一番スタンダードな果実酒が期待できる。味見の基準に1ビン(2リットル程度)は作っておきます。
  2. ホワイトラム45度
    高いアルコール度数で果実の風味も薄めないで熟成させることができることを期待してやってみたい。
  3. 黒糖焼酎35度+
    黒糖焼酎は比較的癖が無いので好んで飲んでいますが多分果実酒にも向いているでしょう。是非これも試してみたい。
    ・浜千鳥乃詩_黒糖焼酎原酒38%(7年以上古酒)これとても高い。
    ・里の曙ゴールド・里の曙 原酒43度。里の曙 白角37度。これはよく見る酒だ。
    ・紅さんご40度。
    ・奄美黒糖焼酎「喜界島 古酒」35度 720ml
    ・喜界島 黒壷 37度 1000ml めちゃ高い
    ・くろちゅう 古酒
  4. 麦焼酎35度
    梅酒用・天盃(てんぱい)。リーズナブルプライス。
  5. ブランデー35度+
    果実酒用に販売されているものもあります。普通の高級ブランデーもいいですが、ちょっと冒険かな。お金があればどうぞ。
コスト面の考察:

ホワイトリカーはコスト的にも魅力的です。果実酒用として紙パックで販売されています。一番安い。他はそれぞれ高くなります。癖のある焼酎だと高いコストをかけてどうにも口に合わない味の果実酒ができてしまうリスクがあります。自分の味の好みを見極めながらいろいろ試すのが安全で正しいアプローチでしょう。

<砂糖について>

果実酒に使う砂糖についても同じような議論があります。氷砂糖を使う理由はやはり癖の無さ。溶けるスピードを問題にしている記事がありましたが殆ど意味がありません。ゆっくり溶けるからいいという理屈も合理性はありませんし、果実からエキスがでてくるスピードははるかに遅いのでどの砂糖を使ってもさっさと溶けてしまいます。

問題はやはり、砂糖に含まれるミネラルなどと果実の風味との相性です。調和して好みの味になればラッキー。これも試してみるしかありませんが、ベースで氷砂糖を津褐炭ものは一つ用意しておきたいです。

もっとも砂糖を入れないという選択もあります。果実のかすかな等分を素直に楽しむ態度です。

<レモンについて>

これも同様の議論があります。不足する酸味を補うために入れるだけです。果実本来の酸味でよしとする考え方と美味しければレモンを入れましょうという考え方です。


自家製は自分のこだわりを表現するということです。

一つの極端は、

好きな酒で、好きな果実を入れて、砂糖もレモンもたっぷり入れて、果実風味の酒を美味しくいただくもの。まあ、この場合は好きな酒に果実の輪切りを放り込むようなものでしょう。美味しいけど馬鹿にされるタイプの自家製果実酒だ。時間もかけない促成果実酒だから色々と楽しむことができる。

もう一つの極端は、

酒と果実だけ。他はまったく何も入れない。ただし時間だけはたっぷりかける。多分、味自体は大して美味しくないだろうが、かけがえの無い満たされた時を過ごすことができる。どんな味でも誰にも馬鹿にされることはない。これこそが自家製果実酒の真髄だからだ。

中庸もある。

試行錯誤を楽しむのも自家製ということですね。

りんご酒を作る


りんご酒を作る

林檎でお酒を作ろうと思ってサイトを見るといろいろなレシピが紹介されている。でも分からないことばかり。

林檎酒の作り方


<リンゴの種類>

◇ 酸味の強いリンゴ

どの林檎を使うかが問題。一般的には紅玉を使う。強い酸味が酒の味を引き締める。本当かな。普通は紅玉。今回調べて分かったが「サワールージュ」とか「あかね」という品種も魅力的。

  • 紅玉」最近は紅玉の流通量が少なくなかなか良いものが手に入らない。英名はジョナサン。
  • ジョナ・ゴールト」=ジョナサンの改良品種?
  • サワールージュ」。「ふじ」の自然交雑実生の改良品種。宮城県?。
  • あかね名前の通り赤い。紅玉の交配種)。200グラム/個の小ぶりなリンゴ。紅玉と同じだね。酸味が売り。


◇ 酸味にこだわらない

お酒の味より香りとなれば王林(おうりん)系が中心となる。もっと素直に好きなリンゴでリンゴ酒でも構わない。それがお酒というものですから。気分・気持ち最優先。ミックスしてオリジナルにしても面白い。ジューシーで甘味の多いリンゴは味をマイルドにする。アルコール度数が下がるといったほうが正しいだろう。多分。


<リンゴのカッティング>

どうでも良さそうだけどこだわる人はいる。何等分するのか。細かくカットすれば接触面積が増えるので酒(焼酎)の中へリンゴのエキスが溶け込むスピードが速くなる。速くお酒ができてしまう。促成酒造。そういうものは多分不味いんでしょう。味オンチには関係ないのでヌーボーなんて言いながら飲めば良い。

こだわりの手作りなら、できるだけゆっくり染み出るようにすれば熟成したリンゴ酒になると期待して、なるべくカットしない、多くの時間をかける。

(1)蔕(ヘタ)と臍(ヘソ)のところにはどうしてもごみがたまるので除去したい。先の尖ったナイフで切り出す。アルコールを吹きかけてごみを流し落とす。

(2)蔕(ヘタ)と臍(ヘソ)を通して一緒に芯のところをくりぬく。そういう道具があればいい。

(3)2分の1カット。見えている種は取り払う。閉じこもっている種はそのまま。

(4)4分の1カット。この辺が限界。この後、6分の1カット、8分の1カットと進めることができるがボトルの広口を通るか通らないかはあまり変わらない。

要点は、


  • 蔕(ヘタ)と臍(ヘソ)はゴミ(何が入り込んでいるか分からない)は除去する。
  • 見えている種は除去する。残っているとしたにこぼれる。本物の証明にあえて使う?
  • 4分の1カット以上細かくはカットしない。
  • 皮は剥かない。薬品が残っている懸念もあるのでカットする前によく洗うこと。ゴミもできるだけノズルをかけて洗い落とすこと。


<レモンの輪切り>

どのレシピにもレモンを入れるとある。あの黄色い堅い皮も白い柔らかい皮も駄目で果肉だけをスライスして入れるとある。酸味を補うためか風味がでるのか。クエン酸でもいいのか。

酸味が不足すると間の抜けた味になる?多分、そうなんだろう。レモンの風味は余計だね。だからクエン酸でも全然構わない。レモンの絞り汁でも同じだが液体が汚れるから避ける。クエン酸がベストだろう。

なぜ、酸味が必要か。果実の中の少ないエキス(ジュース)を焼酎で割るのだからどうしても薄味になってしまう。

加えて、砂糖を入れることで甘さを補うがエキスとのバランスをさらに崩すことになる。要するにただの砂糖水で焼酎を割ったようなもの。

果実酒って果実の風味が残るだけの焼酎のレモン水割りなんだ。なんか馬鹿げている。


<氷砂糖>

なぜ、氷砂糖を入れるか。甘いほうが美味しいと感じる(人が多い)からだ。だからレシピは全部そろいもそろって氷砂糖を入れるとしている。甘ったるい酒なんか飲めたものじゃないのに。なぜか。女がレシピを書いているからだ。酒の味も分からない女が。酒の味が分かる女や男共は、付き合いで一口飲むだけで席を外す。

女どもがあげるもう一つの理由。腐敗防止。保存食なのだ。男どもは言う「酒は腐るのか?」。濃度が不足すれば酒につけても腐る。当然だ。25度の焼酎では駄目で、35度の焼酎を使えという理由だ。

女どもには分からないだろうが、酒の味を台無しにする砂糖を入れたくなかったら、リンゴの量を減らすこと。アルコール度数をあまり下げないこと。もしくは、もっど度数の高いアルコールを使う。もしくはカビの生えない環境で保存すること。普通は冷蔵庫。常温熟成>冷温熟成。冷温熟成はさらに時間をかけるのでさらに美味しくできる。筈だ。


<ミキシング>

漬け込み。ボトルは2リットルまたは3リットルまてゃ4リットル。これくらいでもう十分でしょう。小さいボトルでいろいろ作るのがいいでしょう。失敗も成功もほどほどで。だから2リットルサイズのキャニスターがベスト。

まず、リンゴ4個(4等分カットしたもの)をボトルに入れる。

レモン輪切り2個(サイズの大きなサンキスト?)をボトルに入れる。レモンは入れなくても構いません。

ここからが大事。だれも教えてくれない。

焼酎(代替アルコールは別途)を注ぐ。レシピどおりに1リットル近くも注いではいけない。500ミリリットルで止めておけ。リンゴ全部は浸らない。

そのまま密閉して2日間ほど置いてからリンゴを追加します。多分、2個分(4等分カット)は入る筈です。

さらに2日間ほど置いてからまたリンゴを追加します。最大2個。トータル8個。これ以上は駄目です。入らなければ4分の1カットでも構わない。

ここで入る余地があれば焼酎を追加します。

氷砂糖は入れません。

(ソーダー水で割って飲む前提なら入れても良い。常温熟成の場合も入れたほうが無難。)


<保存と熟成>

仕込み時、保管時を通して、作業の前後は焼酎を噴霧してカビ対策を怠りません。

冷蔵庫の野菜室(結構温度は低いですよ)に入れますが、キャニスターのまま入れないでポリ袋にいったん入れてから。野菜が持っている雑菌と接触する機会を減らします。

1ヵ月後にレモンの輪切りを取り出します。タイミングはレモンの苦味とのトレードオフですが、加減が分かるようならレシピ不要ですね。いろいろ試すしかありません。

レモンの取り出し時に、ボトルに隙間ができていたら焼酎を継ぎ足します。キャニスターが溢れる寸前まで。

3ヶ月~6ヶ月後にリンゴを取り出します。最後まで取り出さない人もいます。リンゴを多めに入れているので3ヶ月では短いでしょう。

冷温熟成のため更に半年間寝かせます。最初の漬け込みから約1年を目処にします。


<カビ対策>

キャニスターは煮沸消毒・熱湯消毒するがガラスですから下手すると割れます。大きな鍋でもフライパンでも水を張ってキャニスターをいれキャニスターにも水を入れます。横にできるような勝手に水が循環するので好都合ですが、横にできない場合は立てたままでも構いません。ふたはかぶさるようにしますが、締め切ってはいけません。常識。

焼酎を噴霧器に入れて、ビンの口の周囲、手のひら、キャニスターを閉じ込めるポリ袋、そのた道具などに吹きかけて殺菌します。


<果実酒用アルコール>

普通は35度の焼酎。ホワイトリカー。寶酒造。

ホワイトラム45度(ラムホワイト45度も同じ)。ケーキやカクテル用に利用される。度数が高いのでリンゴを多く使う場合はホワイトリカーよりこちらが安心。ただしお値段は2倍程度になります。


<カルテとメモリ>

◇ カルテ

カルテを書いて貼り付けておく


  1. 責任者
  2. 最初の仕込みの日
  3. リンゴの品種と量(個数と、分かればグラム数)
  4. 使ったレモンの量(不使用のケースも含めて)
  5. 使った砂糖の種類と量。氷砂糖100グラムとか。
  6. レモンを引き上げた日
  7. リンゴを引き上げた日
  8. 使った酒の種類と量
  9. 保管状態(冷温熟成か常温熟成か野菜室かパントリーか床下かなど)
  10. 特記事項(気になること、次の管理者に伝えること)
◇ メモリ

メモリを張っておく。ラインを入れて日付を記載する。天使の分け前で減った分も分かるようにできると面白い。



常温熟成酒

冷温熟成酒

低温熟成酒

これらのキーワードは日本酒の扱いに関するものだ。果実酒の熟成は別のノウハウなんだろうか。

果実酒の熟成

梅酢漬け:新生姜(新ショウガ)2012


梅酢漬け:新生姜(新ショウガ)

簡単に出来たはずだったが、今日、冷蔵庫を見たら、白いカビのようなものが表面に付着。塩かカビか。ぬめっとしていたがはっきりしない。梅酢に使っていた下側は普通の感じ。一緒にカブの葉を入れていたのが災いしたか。梅酢の色も薄くなっていて頼りない。塩分濃度が落ちて、冷蔵庫でもカビが出てしまったか。下側半分か3分の1くらいが梅酢に浸る程度にして約1ヶ月間《1.5ヶ月?)放置したのが失敗。

上がりの姿を明確にイメージできなかったのが原因だ。普通の漬物でも冷蔵庫に長期間放置すればカビは生える。

カビ対策の基本を思い出せ!


  • (1)温度を低くする。
  • (2)雑菌を入れない。アルコール消毒など。
  • (3)乾燥させる。
  • (4)空気に触れさせない。


最後のイメージは、①売り物の紅生姜のように、完全に梅酢に入れて、空気を抜いてしまうか、②梅干しみたいに乾燥させて冷暗所に置くか。②は下記のブログが参考。こういう上がりもあるのかと。ただ日持ちは期待できない。3ヶ月かせいぜい半年で処分するのが賢明かと。




  • この記事、偶然見つけた。分かりやすい。この人、才能才気がにじみ出ていますね。男性?女性?。若い?老人?。いずれにしても大事にしなければ。



  1. http://hokorin.exblog.jp/m2012-08-01/




自分でやった新生姜の首尾は、途中までは問題なく、食べても美味しかった。1ヶ月弱、冷蔵庫で保管(放置)したら、カビか何かぬめりがついてしまった。洗って乾燥させていたらカビが生えてしまった。天日に干しているが気分が乗らない。ギブアップ。

反省するなら、途中の美味しくなった段階で、


  • ★(乾燥保存)土用干しのようなことをして殺菌をしっかりして保存するか
  • ★(酢漬け保存)梅酢と林檎酢をミックスしたものにドボンと漬け込むか


方向を明確にして、きちっと処理すべきだった。

侮れない「梅酢漬け」?<修正レシピ>

侮れない「梅酢漬け」?

大事な梅酢を使って幾つかチャレンジしてみたが結果は悲惨。連戦連敗!。なかなか満足のいく梅酢漬けが出来ない。

<古漬け>

古漬けタイプを狙ったが結論としては「梅酢漬けの古漬けは力量が無ければギブアップすべし」と。

<修正レシピ>

(1)新鮮できれいな野菜を使う。材料に妥協してはいけない。

(2)材料は荒く2つ以上にカットする。食べるときにもう一度カットする程度。全くカットしないと塩分と酸味の入り方が遅くなる。野菜による時間の違いが出やすい。

(3)カットした野菜は干さない。漬けた野菜を干す方法論はあるかもしれないが、今後の検討として、ここの手順では使わない。

(4)水気の多い野菜(ダイコン、カブ、キュウリ、ナスなど)は少量の塩で手揉みする。塩を手に振ってさっと野菜を揉み洗うような感じ。野菜によってはカットする前に扱いた方がいいかも知れません。

(5)半日~一晩程度容器に保存する。保存容器はポリ袋が好ましい。カビ防止のために空気は追い出すように封(ファスナー)をする。冷暗所~パントリー。夏場は冷蔵庫の野菜室でも構わない。

(6)半日程度経過したら、よく水(塩水)を振り切って、容器に移す。今度はプラ容器またはガラス容器を使う。ポリ袋が駄目な訳では有りませんが、食べるときの手間が掛かります。

(7)野菜を入れた容器に梅酢を入れます。梅酢は貴重品ですから、容器の底1センチ程度で充分。もしくは野菜の高さの20%程度。梅酢が行き渡るように野菜の上下を毎日1日1回入れ替えます。プラ容器の場合は単にひっくり返すだけで充分。梅酢がたっぷりある時は全体が浸る程度入れます。梅シソが余っていれば入れて風味が増します。

(8)梅酢の塩分は約20%あり、野菜の水気で薄まりますが、更に薄塩にする場合は癖の無いリンゴ酢を梅酢の半量程度加えます。リンゴ酢を入れすぎると味の傾向が変わってしまいますから注意してください。只の酢漬けになってしまいます。

(9)冷蔵庫に保存。1日程度で食用開始。カビ対策が充分なら20日程度で。カビ対策に自信がなければ5日程度で、食べきってください。

(10)最後に残る漬けじるはお好みなら(貪欲なら)、煮物に入れるなりお米を焚く時に入れるなりしますが、それ程でなければ黙って棄てます。えっと、梅酢漬け用に使いまわすのはNGです。塩分が薄まっているし、カビが混入している可能性も高くなっています。



<キュウリ>

味自体はまあまあ。カットしないと梅酢の風味が上手く出ない。塩分が強く移りやすい。長く漬けては駄目。

<カブ>

もっとも相性がいい。味の修正もしやすい。古漬けになっても破綻しない。

<ダイコン>

本来、相性はいい筈だが。材料が強いので時間は多めに掛けて良さそうだ。

<シンショウガ>

同転んでも失敗しない。長く漬ければ漬けるほど美味しくなる。

<ナス>

なかなか加減が掴めない。色が悪くなる。材料として強いので、食べながら修正して行ってもよい。ナスは皮が美味しいので漬け込みは長めにすること。

<ウリ>

まったく要領を得ない。先ず、ウリの種類に注意が必要。名前(品種)は分らないが、小振りの皮の柔らかいウリを選ぶ。皮の固い大きなウリは用途が違う。漬物でも味噌漬けとか粕漬けとか長期熟成タイプ。梅酢漬けはフレッシュなタイプが必要。

<ミョウガ>

これは失敗し難い野菜。皮の固くないフレッシュなものを選ぶこと。



その他の野菜は今後の検討とは行ってみてもあまり可能性のある野菜はないね。

梅酢漬け:キョウリ

梅酢漬け:キョウリ 胡瓜(きゅうり)の梅酢漬け。

胡瓜は何時食べても美味しいが特に夏はスカッとした歯ごたえ、みずみずしさで欠かせない。きょううりの青臭さが気になる人は気の毒。

梅干しをつけたときの梅酢が余っているので、胡瓜の梅酢漬けは手っ取り早い食欲増進の一品になる。

自分でも作れるか。

基本的な手順は、野菜を塩揉みして水分を出して、梅酢に漬けるだけです。

<時間と塩分と環境と野菜特性>

何が難しいかと言えば、一番美味しいタイミングを掴むこと。漬物全体に共通しているテーマ。放っておけば何れ漬物になりますが、野菜の新鮮さ、酸味(漬かり具合)、塩分が丁度よいのは難しい。

梅酢の塩分は、減塩でやっている家では10%強、減塩しない家では20%弱、昔の味に拘れば30%になります。ここでは最もバランスの取れた(味と塩分)20%の梅干しの梅酢を前提に考えます。

20%の梅酢を使う場合は、塩で水抜きをするのは無用かと。塩辛い胡瓜になってしまう。梅酢だけで十分な塩分供給される。

逆の言い方をすると、梅酢だけでも使いすぎると塩辛いもになってしまう。

塩分の濃い梅酢の場合、量が多い使い方も、時間の掛け過ぎもいけません。とても塩辛いものになる。

特に胡瓜はデリケート。

一口サイズ(一口で食べることが出来るサイズ。厚さ1cm未満のスライス)、食べ口サイズ(箸にとってかぶりつくサイズ。ちょいゴロンとしたサイズ。5cm~10cmの丸切り)程度にカットしていきなり梅酢で漬け込む。急ぐ時は重石を使う、あるいは刻みを入れる。

最短で3時間前後で新鮮な胡瓜の梅酢漬けが食用できる、大き目の食べ口サイズで、梅酢を合わせるだけの場合も、最大2晩で食用に回したい。

環境:基本的に全て冷蔵庫。普通の家に冷蔵庫以外の食品庫は存在しない?

<一口サイズ><刻み・重石><梅酢合わせ>=3時間
<一口サイズ><梅酢合わせ>=8時間(一夜漬け・朝漬け)
<食べ口サイズ><刻み・重石><梅酢合わせ>=8時間(一夜漬け・朝漬け)
<食べ口サイズ><梅酢合わせ>=二三夜漬け(間1日置いて食べる)

胡瓜の梅酢漬けで注意すべきは漬けすぎ。梅酢の塩分が顔を出すようだと残念になる。早めの引き上げがベター。塩分の追加は簡単だが、引き算は難しい(普通はできない。水とかお湯で塩抜きできるが梅シソ風味も抜けてしまう)。


茄子(ナス)の梅酢漬けを作る


茄子(ナス)の梅酢漬けを作る

ナスは普通のナスでも、ピンクが映える白ナスでも。

ナスは最初に灰汁抜きをします。冷水に1~2時間浸して、次に塩を振って手で扱(しご)き、水分を搾り出します。

ナスを食べ口サイズにカットする場合は、カットしてから塩揉み。

ポリ袋にナスを入れて塩を振って揉むと楽です。水切りも簡単です。

そのまま、ポリ袋に梅酢を入れてキュウリを浸し、空気を追い出してファスナーを締め、冷蔵庫に保管します。

カットしたナスなら2日ほどで食べることが出来ます。多分。

ヘタと尻尾をカットしただけの丸のままのナスなら1週間ほどで食べることが出来ます。多分。←失敗。美味しくなる前にナスの鮮度が落ちてしまって駄目。

問題はいつまで漬けておいていいのか?ということですが、ナスの水分が出てきて塩分も薄まりますから、冷蔵庫内でもマックス1ヶ月を限度にするのが無難でしょう。←失敗。美味しくなる前にナスの鮮度が落ちてしまって駄目。

複数の野菜を同時につける(同じポリ袋に入れる)場合は、やはり1ヶ月限度で管理。←失敗。美味しくなる前にナスの鮮度が落ちてしまって駄目。鮮度は個別に顔を見て管理すること。

1ヶ月以上、古漬けにしたい場合は、1ヶ月の時点で(1週間の時点でも構いません)、一度上げて水気を絞る。可能なら半日程度天日干しをする。保存容器に移し改めて梅酢を加え(量は少なくてよい)、冷蔵庫に保管する。

注意:最近は梅酢の塩分濃度が下げて作られることがあります。薄い梅酢は追加しても保存性は高まりません。20%ぐらいのものを使います。





ナスの梅酢漬け(即席漬け)


  1. ナスを食べるサイズに切る。小さめにきる。または切れ込みを入れる。
  2. 塩を振って揉み絞る。灰汁抜きと水抜き。
  3. 梅酢を振り掛け、馴染ませて食べる。

<丸のままのナス>

中にまでシソ風味が入り込まず美味しくない。ナスの皮は頑丈だ。とは言え、茶色に変色するので見た目も今一。もっとも、見た目の良い古漬けは余りありませんけど。

丸のままのキュウリは梅酢の塩分が入り込んで相当です。キュウリは塩もみは重要でないさそうだ。

ナスは縦2つか縦4つに切る。←食べ口サイズに切るのが無難。

梅干しの赤シソの再利用


梅干しで使った赤シソの利用

土用干しで梅を干しますが、赤シソも干します。一応、3日3晩。夜露は本来不要。徹底して乾燥させておいていいです。仕舞う前に電子レンジで更に乾燥させる人も居ます。昔は電子レンジありませんでした。今の人は幸せ?。

サンプル:

  1. お湯かお茶に入れて飲む。昆布茶と同じ要領。
  2. 焼酎のお湯割りに入れる梅干しの変わりに使う。この場合、塩分をあまり感じないので、取り過ぎに注意です。その分、梅よりはシソの方が安全な感じですね。
  3. ダイコンのスライスと混ぜて半日置けば、梅酢漬け風の浅漬けが出来ます。
  4. 乾燥させて手で揉み砕いて「ゆかり(赤シソのふりかけ)」にする。割と一般的。もっと細かくするには擂り粉木を使う。この頃はフードプロセッサーですが、自分の目で確認しながら出来ないのが玉に瑕。これに、塩を加える人も居ますが、それは止めた方が。どうしてもなら食べるときに。
  5. 豆腐(冷奴)の薬味。細かくして(ユカリでも良い)そのまま使いたい。みりんで伸ばして使うのは何となく気が進まない。醤油は少々使うかな。
  6. ゆかりは昆布茶に入れても美味しい。ゴマと混ぜた振りかけにしても美味しい。
  7. 梅おはぎ。餡の塩の代わりにゆかりを入れる。梅風味の餡子を楽しむ。
  8. 乾燥させたシソを少量の水で戻し、梅肉を練りつけて、鶏肉(ささみ)や魚肉(白身)に巻いてフライにする。良くある料理ですが美味しいです。夏向き。
  9. 赤シソ巻きのフライが面倒なら、オイルを塗ってゆかりを振り掛けてオーブンに放り込むだけでもすこぶるいけます。多分。
  10. 白菜の浅漬けに加える。ゆかりで加えても乾燥赤シソで加えても美味しい。
  11. お茶漬け。超シンプル。一番美味しいかも。
  12. おにぎりに入れる。ゆかりのもの入れるか、粗揉みのものを入れるかお好みで。
  13. 赤シソを広げて、数枚使っておにぎりに巻いても美味しい。(のり、とろろこぶ、赤シソと3色を楽しめる)
  14. 練り梅にする。梅干し肉の刻み、赤シソの刻み、ゴマ油またはゴマ、砂糖またはみりんをよく練り合わせる。
  15. ドレッシングに追加して入れる。和風ドレッシング、オイル系ドレッシングなら何とかなりそう。オイル&ビナガーなら正にぴったり。
  16. そうめんのつゆに入れる。刻みを入れてもゆかりを入れてもいける。好きな人は青シソでも入れてます。蕎麦のつゆにも同様に使える。
  17. パスタに絡める。ワンポイント工夫したい時に、ゆかりを振り掛ける。
  18. 魚の煮付けに梅干しを入れる代わりに赤シソを入れる。臭みが取れてよい。梅干しほど塩分が無いのがよい。
  19. マヨネーズと混ぜる。野菜サラダ(温野菜サラダも)に使う。意外。合うのかな。好きな人はどう使っても美味しくなるようだ。
  20. わかめ(茹で戻し)・もやし(茹でもやし)に三杯酢と一緒に使う。
<纏めると>

(1)先ず乾燥させて密閉保存が基本。長持ちする。常温でも構わない。

(2)使うときに目的に応じて加工。

(3)但し、ゆかりにするものは細かく砕いて振り掛け用の容器に保存。

<余った梅酢の使い方>

別記事で。

梅酢

梅酢とは。普通は梅と塩を漬け込むと数日で梅の水分が表に出てくる。塩を入れないで重石をするだけでも多分出てきます。この梅の水分はクエン酸を豊富に持っていてとてもすっぱいのです。これが梅酢。梅干しを作るときに副産物として手に入れることが出来ます。スーパーなどで普通に販売もされています。

梅干しに赤シソを入れると梅酢も赤いもの・シソ風味のものになります。赤梅酢という時もありますが、梅酢と言えばこちらを指す時もあります。シソを入れないバージョンはわざわざ白梅酢と言います。多分。言いますよねっ?

自分で梅干しを作る時は、塩分を抑え、カビ防止のために度数の高い焼酎を使います。冷蔵庫保存。市販の梅酢は、真空パックされていて常温保管。ですが安全のため塩分は高めに設定されている筈。20%?。塩分を抑えたいときは酢を加える。保存目的があるなら水は問題を起こしやすい。

梅酢漬け:ラッキョウ

梅酢漬け:ラッキョウ

ラッキョウもまた漬物の王様の一人ですね。健康食品でもありまして、歯ざわりの良さもあって人気が高い。梅酢で漬けてもきっと美味しいのでしょう。

<ラッキョウの下ごしらえ>どうすんでしょう。皮とって髭とって洗って水切って。
<味付け>これが難しい。普通のラッキョウの漬物と同じくバリエーションが多い。

梅酢だけで漬けるシンプル。赤梅酢はシソとラッキョウの味的なバランスが好みかどうか。気になる場合は白梅酢を使う。いずれにしても、強烈な酸味と塩分(梅干しよりはマイルド?)が期待されるが、どっこいラッキョウは強い。1,2ヶ月漬け込んで漸く味がしみる程度。らしい。半年ぐらいで消費すること。

砂糖とか蜂蜜とかを加えるバージョン。梅酢に砂糖をラッキョウの20%~50%程度の分量を加える。梅酢が足りない(多く使いたくない)場合は、酢と砂糖を加える。


梅酢漬け:ミョウガ(冥加)

梅酢漬け:ミョウガ(冥加)

ミョウガは結構灰汁が強いです。その味を好むかどうかで手間は変わります。

一番表の皮を捨ててもいいし、2時間ほど冷水に漬けてもいいし、熱湯を回しかけてもいい。この全部をやっても、一つもやらなくても特に問題はない。

水気を拭いて、半日ぐらい風干し。天日干しでもいい。

梅酢に漬ける。浸る程度。梅酢の量を節約する時はポリ袋で。空気は良く追い出す。

ミョウガを半分に切れば漬物の美学は失うが早く処理できる。

どの道、漬かりやすいので翌日の夕方には食べることが出来る。らしい。



浅漬けはあまり悩まない。2日程でさっさと食べるだけですから。長期保存版が問題です。

1)切らない。
2)乾かす。と言って程度問題。やはり半日~1日。
3)空気を入れない。カビ対策です。
4)漬け込み期間中も冷蔵庫を使う。冷暗所ではまだ不安。
5)1週間から10日ほどで引き上げて消毒した保存容器に移す。
6)梅酢の原液を少量振りかけ、冷蔵庫に保管。半年以内を目処に消費する。
7)食べる時に適当にカットする。そのまま食べても良い。

梅酢漬けの作り方

百人百様。

(1)梅酢をドレッシングで使うレベル。食べる直前に野菜を小さくカットして梅酢をかけて混ぜ込む・揉みこむ。
EX)ナガイモ、キュウリ、など。

(2)梅酢を一夜漬けに使うレベル。野菜を小振りにカットして、水気が多いものは塩揉みして半日~1日置いて水を抜くか、やはり半日~1日の天日干しで乾燥させる。野菜によってはそのまま浅漬けモードでOKかもしれない。野菜に詳しい人に期待。
EX)キュウリ、ナス、キャベツ、カブ、など。


(3)ロングモードの梅酢漬け。更なる工夫が必要だ。長期保存に水は大敵。塩でも砂糖でも濃い方が安全。まあ常識か。水の追い出しは乾燥と浸透圧。もう人は組織を壊さないこと。切ったり潰したりしない。表皮のまま。なるべく。古漬けがOKのものは多分梅酢漬けもOK。
EX)


細かく切って乾燥させれば直ぐに乾くし直ぐに漬かります。だからといって長期保存に向かない訳でもないでしょう。浅漬けモードでも長期もOK。野菜が梅酢に漬かるようにした方が安全。


水気の多い野菜は、少量の梅酢に入れて水を吸出し、一旦捨てて(出来れば絞って)、新たに梅酢を入れる。捨てないで梅酢を追加しても効果は有りません。


野菜のエキスが出た液体を捨てるのはもったいない。一度煮沸して青臭さを放出し、梅干しに入れた赤シソを加えれば再び梅酢として使えます。多分。

梅酢漬けに使った漬け汁は最後は捨てるの?


梅酢漬けに使った漬け汁は最後は捨てるの?


野菜の水分が多く出たものは塩分濃度も酸味も薄まっているので再利用には適さない。再利用する時は、水分が出ないものを使う。また、水分が出るものは水気を切る工夫をする。

水気を出す工夫:簡単なのは塩揉み・一晩漬けておく。浸透圧で水気が外に出る。梅酢がたっぷりあるなら、最初に少量の梅酢に漬けて水分を引き出し、一晩か二晩置いて絞って水分を一旦捨ててから、新しい梅酢を加える。

青臭い匂いの野菜をつけたものも再利用には向かないだろうと。キュウリ、ナス、ダイコン、カブ、ウリなどは駄目だろう。好みで判断すればいいが、一般的にはそんな気がする。

生姜、冥加は多分再利用OK。

ラッキョウ、ニンニクは微妙だ。



答えは

  1. 捨てないで済むように大事に使うこと。
  2. 野菜に梅酢が移って消費されるので普通は足りなくなる。捨てる形になったら何か失敗している。
  3. 野菜の水分で薄まったら、梅干しと一緒に漬けた赤シソの乾燥を入れれば梅酢の力は回復します。
  4. 色も酸味も塩分も気が抜けた感じならそれはもう梅酢とは呼べないから黙って捨てましょう。

梅干しで使う酒とは?

梅干しで使う酒とは?

昔は特にお酒を使うことはありません。高濃度の塩分(約30%?)でカビ被害を防いでいました。

今は健康食品たるために塩分の量が極端に減りました。その分、カビのリスクが高まりました。メーカーの工場では管理可能でしょうが、家庭の環境では難しい。と言うことで高濃度の酒を使うことが広まりました。殺菌効果を出すには35%以上。25度でも駄目では有りませんがリスクは高まります。

35度の果実酒用焼酎(ホワイトリカー)1.8~2.0リットル紙パックが安くスーパーで売られています。これで十分。

45度のラムホワイトというのもあるようで、これは洋菓子か何かを作るときの材料として市販されているみたい。度数が高い分、価格も高くてホワイトリカーの2倍程度。

ホワイトリカー(35度)

ラムホワイト(45度)

梅干しを減塩でやる時は35度以上。

20%塩分なら、多分、25度の焼酎でも大丈夫。



酒の選び方:

梅干しの場合は単純に塩分の濃度と関係で見るだけで十分。梅酢は何れ分離しますから、アルコールが入り込むことに神経質になることはありません。

ところが、梅のエキスを飲むタイプのもの、梅酒とか梅シロップ(希に酒利用)梅の味が薄まらないように出来るだけ高い度数のアルコールを利用することがあります。勿論程度問題です。アルコールは度数はいつでも下げることが出来ますが、後で度数を上げることは現実的に葉無理ですから、やはり35度辺りで無難に利用します。

梅干しの作り方:基本的な流れ


梅干しの作り方:基本的な流れ

(ここはアウトラインだけで詳細は別)


  1. 計画:
    計画なんていうと面倒だね。今年は何をどれくらい作ろうかなとか、いつ頃から取り掛かろうかなとか、道具とか入れ物とか場所とかは大丈夫かなとか、あれこれ考えてみる。去年はどうだったかなとかも。特に、どのような手順で攻めるか
  2. 関連用具食材:
    一番は保存容器。去年のものはまだ使っているかもしれないし。ザルとか。霧吹きとか。漬け込み用のポリ袋とか。
    次に、食の材料も揃えます。塩(粗塩)とか砂糖(梅干しではとか焼酎(35度以上)とか。去年の梅酢がまだ使えるかとか。
  3. 梅の調達:
    これが最大の肝心要。良く知っている信頼の置ける産地農家があるなら連絡確認。スーパーとかで買うなら、あちこち探す。店でサイズは全く違う。時間もずらす。用途で求める梅も違う。梅干しなら大粒の黄色く色づいたもの。走りに焦って手を出さない。大粒の梅はゆっくり出てくる。梅の木があって収穫できるならその準備も必要。
  4. 熟成:
    柔らかく美味しく食べるために黄色に色づいた梅を求めますが、ばらつきもありますし、止む無く青い梅を手に入れることもあります。ただ、熟成は難しいので、過ぎたるよりは及ばざるがよし。表皮を駄目にするくらいなら止めた方がよい。特に重ねて紙袋に入れていると何時の間にか下はほぼ駄目状態になっていたなんてことのないように。
    熟成中のカビ対策もあります。我々素人は3日が限界。3日目には次の工程へ。
  5. 灰汁抜き:
    水に漬けるだけです。青い梅なら長く(最長12時間)黄色い梅なら短く(最短1時間)。灰汁と一緒に表皮の付着物も落とします。農薬も心配して置いて損はないでしょう。冷水。
  6. ヘタ取り:
    爪楊枝で下手を取る。ごみが周囲に残る時もあるので洗うか拭き取る。
  7. ザル上げ・水切り:
    そのままです。水から上げて丁寧に水気を拭き取りざるに乗せ乾かす。焼酎で時々殺菌。計量も行う。
  8. 漬け込み:
    作業の最初の山場。1キロ単位で処理できるならポリ袋を使うのが一番手軽で確実。良く消毒したポロ袋に、梅1キロなら塩200グラム(塩分20%の場合)を入れる。焼酎(50ミリリットル程度?)を入れる人も居るようだ。空気を抜いて封をする。
  9. 重石:
    普通は重石をするようだ。同重量というから1キロの重石。不安な人は2倍。2キロの重石。但し、ポリ袋は形が自在に変わるので空気が入っていたり、梅酢が上がり始めると重石は効きません。空気は抜きますが梅酢は抜きません。不必要に重石が掛からない訳で上手くできていることになります。梅酢が上がったら重石は外す。自重で勝手に漬け込みを進めてもらう。
  10. 置き場所:
    梅酢が上がるまでは冷暗所。梅酢が上がったら冷蔵庫の野菜室。
  11. 赤シソ:
    梅酢が上がったら好みで赤シソを入れます。シソ葉を良く洗い・塩揉みして灰汁抜き・絞って梅に漬けます。ルビー色が美しく赤シソ利用が癖になります。
  12. 土用干し:
    梅雨が明けたら、3日3晩の土用干し。梅干し作り最大のイベント?です。ところがここをスキップする人も居ます。梅干しにしないで梅酢漬けで利用(食用)します。これも好み。
  13. 貯蔵:
    所謂、寝かしです。寝かさないでいきなり食べ始めても問題ありません。寝かしたところで味がどう変わるか分かりません。作品は見ても楽しみたいので、密封できる美しいガラス瓶に入れます。カビが容易に入り込まなければ何でもいいのですが、大事なものは大事に扱うことが必要です。寝かしの期間は勝手に決めてください。2年寝かし、1年寝かし、半年寝かし、3ヶ月寝かし、1ヶ月寝かし、1週間寝かし。寝かし無し。どれか1つでやっても良いし、複数の保存瓶を使っていくつかバリエーションを用意しても良い。管理ラベルを張る。
  14. 食用:
    保存瓶の開閉回数を減らすため、数日~1週間分くらいを梅干し小さな容器に纏めて移し、底その小さな(可愛い?)容器から食用するようにします。家庭の常識かな。

桜の花の梅酢付け

来年までに研究しましょう。

梅酢で、桜のピンク色は抜けて、シソのルビー色で染めることになるのが面白い。

アンパンのヘソに使う。他には? お茶に落として?

(梅仕事)梅酢漬け

(梅仕事)梅酢漬け

梅仕事の一つになるのかな。梅干しは熟成で当面は去年のもの。梅酢はフレッシュなものだから、野菜を美味しく食べるにいい。夏ばて防止。さてと。梅酢漬けといっても幾つかあるようだ。

梅酢漬けの分類

赤梅酢の古漬け

実際に梅酢に一定期間漬け込んで、漬物のように食するもの。保存食品の一環。経験的には失敗ばかり。

「柴漬け」はこれなのかな?。

赤梅酢の浅漬け

浅漬け⇒朝漬け(午前中に漬け込んで夕方には食べる。約8時間)。一夜漬け(夕方に漬け込んで朝には食べる。約12時間)。重石は好きじゃないが、経験的には重石をした方が上手く行く。また古漬けは失敗が多いが、浅漬けは成功することが多い。カビの問題が表に出ないので新鮮な野菜さえあれば良い。

赤梅酢のドレッシング

梅酢をドレッシング代わりに使って主に生野菜を食するもの。ここでは考察の対象としない。

<A:梅酢漬け
梅酢の塩分を使って漬物を作るのですが、最初から酸っぱいので、多分、いい加減に作っても美味しく出来ます。発酵させると、多分、酸味が強くなり過ぎる懸念があります。ですから、

(1)温度を低くする。常温での発酵を促すことは不要。
(2)野菜は切らない。
(3)時間をかける。

<B:梅酢浅漬け
短期でやる時は逆で行く。常温環境で、野菜は食べやすいサイズにカット。一気に発酵しますから直ぐに食べます。夜漬けて朝食べる、朝漬けて夜食べる。そんな感じ。


<A:梅酢漬け梅酢漬けに適した野菜など
  • 新ショウガ:紅生姜ですね。
  • ナス:丸のまま使うか2つに切るか。ヘタと尻はカット。長期を狙うなら丸のまま?
  • キュウリ:丸のまま使うか2つに切るか。先端はカット。長期を狙うなら丸のまま?
  • カブ:丸のまま使うか2つに切るか。長期を狙うなら丸のまま?
  • カブの葉:きれいなものなら捨てないで入れておく。なるべく切らない。 雑味になりそうなら入れない。
  • ダイコン:細い大根をなるべく切らないで使う。青首など大きい場合はカットするしかないがなるべく大サイズで。
  • ミョウガ:そのまま。
  • セロリ: なるべく大サイズで。 味はバランスしない懸念。
  • セロリの葉: きれいなものなら捨てないで入れておく。雑味になりそうなら入れない。
  • ニンジン:表皮はスライス(直ぐに食べれるように)。 味はバランスしない懸念。
  • ゴボウ:表皮はスライス。味はバランスしない懸念。
  • ウリ:両端はカット。種は取り除く。従って切るしかない。
  • レンコン:
  • うずらの卵:
<野菜の下処理>

野菜をカットする前に、軽く塩揉みする。または、1日2日程度風干しする。水分を追い出して梅酢を吸収しやすいようにするための手順。

漬け込み用のポリ袋は、全野菜とも一つに入れるか、適当に種別毎に分けるかは好みで。ぬか付けなら旨みの相乗効果を期待できるが、梅酢漬けでは発酵を想定していないので結果は運試しのところがある。多分、訳の分からない味になりそうだ。個別にポリ袋に入れるのが無難。失敗の心配も少ない。

<重石>

使いません。急ぐ時は使っても良いですが、時間で熟成させる場合は使いません。梅酢の力に期待する。

<漬け込みと保管場所>

ファスナー付きのポリ袋に好きな野菜と梅酢を入れて、空気を追い出しながら封をします。駅漏れがしても大丈夫なように別の容器(ポリ袋でも構いません)に入れて冷蔵庫(野菜室)に保管。長期ですから常温は避ける。ひたすら浸透圧だけが頼り。

<期間>

多分、野菜によって違います。赤シソの色が野菜についてきたら水分の交換が進んだと考えていいでしょう。少し食べて味を見てOKなら梅酢から上げ保存容器に移し食用します。

最初から保存容器(ガラス瓶)に入れて漬けながら食べていく方法もあります。この場合は、毎日、野菜の上下を入れ替えて満遍なく漬かるように工夫します。

何れにして、このような漬け方ですと、多分、2週間。長ければ1ヶ月は掛かりますね。多分。

3ヶ月くらいで食用(消費してしまう)がいいかと。日持ちは半年は大丈夫でしょうが。いろいろ入れると弱い野菜に引っ張られる可能性もあります。

どの野菜をいつ入れたかは何処かにメモしておく。

<梅酢>

美味しい梅酢になっていれば再利用するのが懸命。ホウロウ鍋で煮沸させて、殺菌と青臭さを逃がします。野菜の灰汁が移っていると思います。灰汁が出たら掬い取ります。

梅干しを大量に作るご家庭では梅酢もたくさん出来てしまいます。梅酢は強烈な酸性と塩分ですから、食用以外にも利用できそうです。後で、少し調べてみましょう。

土用干しが終わったら

土用干しが終わるとはどういうことか?

梅が十分乾燥したら終了ということでもなさそうだ。3日3晩という手順を踏むことに過ぎない。乾燥の度合いは、天候と干した場所の環境によって様々。まあ、手作りですからばらばらでいいです。

3日連続晴天なんてありえません。雲も掛かれば一日曇りもあります。風に晒すだけでも十分。気分的には最初の日だけでも太陽に当てたい。曇りは2分の1にカウントしてトータル3日で如何でしょう。

初日は晴天(まあ、晴天まで待つということ)、後はずっと曇りでも、風干し2日で一旦締めます。梅酢に戻す。次に晴天の日が来たら残り1日分の日干しをやります。合計3日と換算。4日目の朝に取り込みます。

初日、2日目が晴天で3日目から曇ったら、3日目4日目を風干しして5日目の朝に取り込みます。その日が晴れたらもう1日かけてもいいし、黙って取り込んでも良い。


  1. <1晴れ><2晴れ><3晴れ>4日目の朝に取り込む。何の問題もない。
  2. <1晴れ><2晴れ><3曇り><4晴れ>5日目の朝に取り込む。
  3. <1晴れ><2晴れ><3曇り><4曇り>5日目の朝に取り込む。5日目が晴れたらもう1日かけるオプションあり。
  4. <1晴れ><2曇り><3晴れ><4晴れ> 5日目の朝に取り込む。
  5. <1晴れ><2曇り><3晴れ><4曇り> 5日目の朝に取り込む。 5日目が晴れたらもう1日かけるオプションあり。
  6. <1晴れ><2曇り><3曇り>(一旦戻し晴れを待つ)<4晴れ> 5日目の朝に取り込む。 5日目が晴れたらもう1日かけるオプションあり。
これ以外のオプションは存在しません。半日曇りなどは難しいですが、直射日光が1~2時間以上当たったら晴れと看做すなどしてください。


取り込んだ梅干し(ここで梅干しになってます)

一応表面は乾いていて、中には梅酢エキスが濃縮されている状態。この梅干しの取り込みオプションはいくつかあります。

(1)このまま消毒殺菌したガラス製の保存瓶に入れます。そのまま保存。所謂、寝かしです。自重で梅酢が染み出てきて全体に湿潤になります。寝かす期間は気分の問題。その日から食用でもいいですし、3ヶ月とか半年とか置いてもいいです。寝かす場所も、食用開始までは常温でも冷蔵庫でも。食用を始めると蓋の開け閉めが多くなるので冷蔵庫が良い。

(2)より濡れた感じの梅が好みなら、一度、梅酢に浸して入れる。

(3)保存瓶に戻して上から梅酢をかけても良い。その量は好みで底に僅かに見える程度から、梅に被りきらない程度までたっぷりかける程度まで。まさに好みで。梅酢が埋めにカブってはいけないということもありません。

この加減の勘所は、想定している保存期間です。1年以内に食用するならどれでも構いませんが、2年なら、(2)の濡らす程度まで。3年を目論むなら(1)の梅酢を追加しないやりかたです。期間によって長期用の瓶と短期用の瓶に分ける発想もあります。

(4)シソは濡れた梅干しにはぴったりですから、というか乾燥防止になりますから、梅の上に少し乗せます。

(5)余ったシソ(土用干しして乾いたシソ)は乾燥したまま器に入れて冷蔵庫に保管します。色々な用途に使えます。

管理ラベルの使い方

梅やシソを利用してあれこれ作りますが。一段落したら、ラベルを貼りましょう。

ラベルは手書きでも十分。

記載事項は、


  1. <WHO>作成者:誰が作ったかは重要です。世間には雑な処理でも十分とする人とやたら細かく拘る人と不通の人が居ます。時代によって気分も変わります。
  2. <WHEN>作成日:主要なイベントの日付を記載。単に日付だけでは何の日か分かりません。代表的なイベントの日付。最期の重要アクションは追記していきます。梅酢の煮沸殺菌の日とか。
  3. <WHAT>主要な材料の銘柄・産地。購入店を記載しても良い。
  4. <HOW>作業手順上の工夫やトラブルなど特記事項
  5. 長期保存のものは追記しやすいように余白に余裕があるもの。
  6. 短期保存(半年以内で消滅する)のものは簡単なメモでいいでしょう。
管理ラベルとは別に作業メモを作るのはお奨め。次回の創意工夫につなげます。

上がりのイメージ

上がりのイメージ



  1. 梅干し:キャニスター2L (×3) 梅酢は底に少々
  2. 梅酒:キャニスター2L (×3) 
  3. 乾燥させた赤シソ(赤シソの梅酢漬けを乾燥させたもの):
  4. 梅シロップ:キャニスター2L
  5. 紫蘇シロップ:
  6. 梅ジャム:

梅酒の梅はいつ取り出すのか


梅酒の梅はいつ取り出すのか

結論は取り出さないオプションも含めて好きな時に取り出すらしい。若い梅酒には若い梅が、熟成した梅酒には熟成した梅が入っている。要するに梅の存在が梅酒の品質に悪影響することは無さそうだ。潰して梅酒が濁らない注意だけはしておきたい。好きな時に好きなだけ取り出して、そのまま食べても(美味しい保証はありません)、ジャムに回しても、ケーキなどに利用してもいいでしょう。

  1. 最短コース:3ヶ月。
  2. 標準コース:6ヶ月。
  3. 長期コース:1年。
  4. 永久コース:取り出さない。飲むときに残量のバランスを見て、梅が酒の中に浸らないような時に漸く取り出す。
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梅仕分けの流れ

梅仕分けの流れ

調達(購入・収穫)

梅干用(大粒・黄色)・梅酒用(大粒・中粒・青/黄ウメ)・梅ジュース用(無傷・全粒・全色)・梅ジャム用(キズもの)に仕分ける。

(梅干しライン)漬け込み前の不良品→梅ジャム用に仕分ける。
(梅干しライン)漬け込み後の不良品→ゆかりもどきに仕分ける。

(梅酒ライン)漬け込み前の不良品→梅ジャム用
(梅酒ライン)漬け込み後の不良品→梅ジャム用

(梅ジュースライン)漬け込み前の不良品→梅ジャム用
(梅ジュースライン)漬け込み後の不良品・残骸→梅ジャム用


梅ジャム用に出てくる梅が次々あるので、都度ジャムを作るのは手間。量が少なければ冷蔵又は冷凍しておいて後で纏めて。

梅干用:6キロ。梅酒用:6キロ。梅ジュース用:3キロ。梅ジャム用:1キロ。この程度をイメージすると10キロ~20キロ程度が調達量になる。

梅干しの塩分

梅干しの塩分

塩分に注意の人は流行の減塩で仕込みます。10%前後。超減塩となると5%前後。もう味が分かりません。食べる時に塩振ったり醤油をかけたりしていたら笑える?

普通に美味しく食べるには20%前後。

お湯をかけて塩分を落とすのは手遅れ。舌触りのところだけ塩分が落ちるだけです。塩の変わりに使って他のものと一緒に食べれば、ほどほど調整は出来そうだ。

(梅仕事)梅酒を作る


(梅仕事)梅酒を作る


梅酒

材料

梅の種類:

<品種>

梅の品種は何にする?。何となく白加賀が良さそうだ。一般的には酸味の強い品種が好まれるらしい。果肉が厚い=種の小さな品種。大きなサイズで皮の毛も少ないつるっとした実が良い。
  • 南高梅(なんこううめ)
  • 古城(ごじろうめ):これはややレアものかな。あまり聞かない名前だ。
  • 白加賀(しらかがうめ)、もっとも普通に良さそうに感じる。名前が良い。
  • 鶯宿(おうしゅくうめ)、果肉が固い。梅酒か梅シロップ専用だな。
  • 豊後(ぶんごうめ)、普通の梅かな。豊後は大分でしょ。因みに露茜の受粉樹。
  • その他、竜峽小梅、林州玉英梅郷なども梅酒向きらしいが特別こだわりが無ければ無視していいかな。
  • 露茜:赤い色の梅酒を楽しめる。プレゼントに良いかも。


梅のサイズ

梅酒ですから梅の実の大きさは直接関係無いですが、酒に浸った梅を見ながら酒を楽しむくらいはあるかも。そのときサイズが気になるかな。梅の成分(?)と酒がミックスする効率なら梅は小さいほうが良い。ミックスするスピードが問題なら大きい方が良い。でもその差を理解できるほどの作る時のあるいは楽しむ時の精度があれば理屈も成立するが実力的には無理でしょう。と言うことで好きなサイズで行きましょう。

一般的にサイズが大きいと値段も高い。手間が掛かるからだ。だから、金持ちはその証として大きいサイズの梅で作る。賢い奴はその証として小さいサイズの梅で作る。普通の人はLサイズくらいで手を打つ。(注意)店によってサイズに違いがあるようだ。立派なLサイズもあれば貧弱なLサイズもある。気がする。

⇒ 3Lサイズ

3Lを目指そう。価格が破格なら2Lでも妥協して良い。それより小さいのは嫌だね。無ければLでも許容。節操が無いね。

梅の状態=熟度

完熟梅を使うのは、半熟梅か、青梅か。何れもそれなりの味が楽しめる。完熟梅は途中で果肉が崩れるリスクがある。無難を選べば青梅。だから完熟でやってみようと言うのもあるだろう。まあ、色々やってみることです。ということで、完熟梅と青梅を少しずつやってみましょう。


砂糖:

そもそも梅酒を作るときに砂糖は入れるのか?。

  1. 砂糖を入れる理由:
    梅と酒がよく溶け合うらしい(熟成が早く進む)。
    甘くて美味しい。
  2. 砂糖を入れない理由:
    十分時間をかけて自然熟成を楽しむ。
    砂糖の甘さが嫌い。薄めて飲みたくない。
面白い記事があった。砂糖は直ぐに溶けると上手くないらしい。最初はお酒が梅の中に入りエキスと結びつく。次にエキスとお酒が結びついたものが砂糖に取り込まれて出てくる。だからゆっくり解ける氷砂糖が良いのだと。本当かな。うん?、ってことは最初は無糖で、1~2ヶ月してから砂糖を入れるのが良いのか。

 <梅酒に使う砂糖
一般的には氷砂糖。味にくせが無いこと。解けるのに時間が掛かること。熟成がゆっくり進む。

沖縄黒糖もやってみたい。こちらは癖ありの早解けだからどうなるのか。和三盆も似たようなものだろう。


ゆっくりが良いのか早いが良いのか分かりませんね。

全体の量:

ホワイトリカーが1.8リットルとか2.0リットルとかで売られているので、これに1キログラムの梅をあわせれば丁度良さそうだ。


梅利用の中で一番簡単なのが実は梅酒。

サルはとても梅干しは作れないが、梅酒(果実酒)はサルでも作れる

アルコールを使うのでカビの心配も無い。材料に拘るだけで良い。

梅1キロ(灰汁抜き・ヘタ取りしたもの)普通は青ウメ。
氷砂糖0.5キロ~1キロ。好みで。
焼酎1リットル~2リットル。好みで。35度もの。保存性の確保。

焼酎の変わりに他の酒を使っても良い。アルコール度数の高いもの。

25度の場合は、半年以内に消費すること、冷蔵庫保管すること。

清酒は無理かも。25度ならないわけではないけど。

黒糖焼酎と黒糖で作ると面白いかな。全然不味かったりしてね。

ウメ1キロで1升ビン使うなんて、どんな容器を使うんだろう。

梅ジュースを作る

梅ジュースの作り方

下処理は梅干しとほぼ同じ。

熟成:目指す梅ジュースの味によりこの手順を外して良い。青ウメのさっぱり感が大事なら熟成させない。ウメのフルーティな味香りを楽しむなら熟成させます。もっとも完熟ウメを買えば済むことです。

灰汁抜き

ヘタ取り

ここからバリエーションがあります。

1)梅干しと同じように完全なウメだけを使うパターン。
2)果肉にキズがあっても使うパターン。果肉にわざわざ穴を開けてエキスの出を促すやり方ではキズは問題になりません。
3)冷凍させて果肉の組織を破壊してエキスの出を促すやり方も50歩100歩ですから、疵物は気にしません。

完全な梅を選択した場合、キズのある梅はジャムに回します。

梅と同量の氷砂糖と梅を容器に入れて密封します。後は待つだけ。

注意事項は、ガラスの容器の消毒殺菌。いきなり熱湯を入れると割れますので徐々に熱いお湯に変えていくか、水を張った鍋に入れて一緒に煮る形にします。ガラスがなべ底に触らない工夫は必要。耐熱ガラスのものがあれば重宝。熱湯消毒後も、焼酎噴霧は欠かさないこと。

梅ジュースの作り方はいたってシンプル。

常温保管でしょうが、カビが怖いので冷蔵庫へ。

浸透圧で、梅のエキスが奪われると梅自体はしわしわの情けない格好になりますので、取り出します。取り出した情けない梅は多分お菓子に出来ると思います。または梅ジャムに合流。漬け込み開始から1ヶ月が目処。

<最終処理>

手抜きパターン:容器ごと鍋にかけ、殺菌して、安定保存させます。液体が濁っていたら濾します。冷蔵庫に保管します。

普通パターン:濾してから火に掛け、弱火で煮る。灰汁取りをする。冷まして濾して保存容器に入れる。冷蔵庫保管。容器殺菌はお忘れなく。



火に掛ける段階で赤シソを入れると発色も楽しめるはず。但し梅風味と紫蘇風味がミックスして美味しいかどうか。試しに少量チャレンジしたい。

梅の蔕(ヘタ)を取る


梅の蔕(ヘタ)を取る

灰汁抜きが終わったら、爪楊枝か竹串でヘタ(ヘソ?)を取る。慎重にやらないと果肉を傷つける。ヘタが深く入っている場合は本当に要注意。

1個ずつ、取り出して、爪楊枝でヘタを取り、ヘタの回りの付着物を水で洗い落とす。爪楊枝が深く入ったものは、焼酎噴霧で消毒する。水気をきれいに拭き取る。果肉に傷みのあるものは梅ジャム又は梅ジュース用に取り分ける。

全数1個ずつこの流れで処理してもよいし、手順毎に全数を処理しても良い。



完熟梅は灰汁抜きは必要ないが、ヘタ(蔕)は少し水に浸けて洗えば、爪楊枝などで簡単にかつ綺麗に取れる。

ヘタが実の中に食い込んでいることもある。深追いしないで綺麗に洗って済ませても良い。深追いすると果肉を傷つける。取り難いヘタも後で自然に剥がれてくることもある。果肉だけを利用するとか、濾過して利用するなどであれば後で剥がれたヘタは分離できる。

青梅、特に若い梅のヘタは取るのが難しい。無理に取る必要はさらさら無い。気になる汚れだけは拭っておこう。

灰汁抜き

冷水を使う。灰汁抜きの効果は弱まるが水につけることによる痛みのリスクを軽減するため冷水で灰汁抜き。

水に漬ける時間は、青ウメは8時間~12時間が相場。黄色く色づいたものは半日4時間程度。完熟の場合は不要だが表面の想定外の付着物を考慮し1時間水に漬ける。

茶色に変色する前に水から上げること。

短時間の場合は気にすることは無いが、一晩置く場合は冷蔵庫に入れるとか、氷を入れるとかして、変色させないようにする。

熟成

収穫した梅、購入した梅は、先ず熟成させる。

いきなり灰汁抜きを始めないこと。

熟成といってもただ常温で呼吸させるだけです。通気性のある紙の袋に入れておけばいいです。匂いをかぐと青いものでもフルーティなにおいがします。色づいた梅は果物と思うくらいの強烈なにおいがします。

熟成は、しかし、ばらつきが出て難しい側面もあります。ですので、熟成を徹底させようとは思わない方が懸命です。自宅での熟成は3日ぐらいが限度かと。従って、遅くとも3日目の午後または夜には灰汁抜きに入ります。

紙袋に入れるのは1日半くらいかな。

梅が接触しているところがおかしくなります。いっそ、ザルを使うのも良さそうです。紙袋の場合は平たく敷き詰めてなるべく上下に重ねないようにします。

熟成中もカビ対策は焼酎霧吹きでやります。

1つの思案は、熟成させる前に洗うのかどうか。プロの方は洗う必要は無いといいます。多分。汚れを払う程度で十分。我流の発想は、梅は木になっていて雨にも当たる。濡れたって乾くもの。潔癖症で行きましょう。一度洗って布巾で水気を綺麗にふき取ります。それから熟成に入ります。

消毒・殺菌の徹底

焼酎霧吹き。

一番汚れているのは手です。

容器・用具

材料(梅・シソ)

梅の購入・梅の収穫

<収穫>

自前の梅が有る場合は収穫となる。

木に実をつけたまま黄色く熟成させるのはプロで無いと難しい。鳥、虫、日焼け。サイズさえ十分になれば良しとする。

収穫予定日が決まったら、最期の薬剤散布からミニマム2週間はあけること。

天気の良い日を選んで午前中に収穫する。午後でも構いません。

<購入>

一度に予定量の全部は買わないこと。2回3回に分ける。

粒の大きいもの、黄色く色づいたものを探す。粒の大きさを優先する。小さい梅は買わない。

1キロ単位で売られている。2単位ずつ購入。毎回、梅の種類や産地を変えて楽しむ。

大量消費を自認する家では3単位でも4単位でも。

梅干しに必要な用具

梅干しに必要な用具(順不同)


  1. ファスナー付きポリ袋:梅1キロが入るサイズ。30センチ×40センチぐらいだろうか、もう少し大きいかな。漬け込みの主役。
  2. ザル:土用干しに使う。直径50センチくらいか。
  3. クエン酸(シソジュースを作るとき)
  4. 重石:無くても良い。気休めに使うならコンパクトで軽いもの。重石になるかな。
  5. ポリ容器:出来るだけ中が見えるもの。タッパウエア。漬け込みのポリ袋を収める。
  6. 樽:何となく不衛生な感じがする。底が見えないから。使いたくない。漬け込み用または長期保存用。あれば使ってもいいがわざわざ買うことはない。
  7. 密閉ボトル:長期保存に使う。あまり大きいのはトラブルになる。感覚的には1ビンに2~3キロが収まれば十分でしょう。ガラスが隣り合って傷ついたりするのが嫌だから透明のビニールシールでも巻き付けておきたい。名札シールを兼ねて。責任者・日付・梅の産地や使った塩とか土用干しの日数とか何か気になるものがあれば一緒にメモする。
  8. 焼酎。35度以上。消毒殺菌用。
  9. 霧吹き。焼酎を噴霧するもの。
  10. 塩。ミネラルを多く含むもの。粗塩。

梅干しを作る段取り=計画

毎年、6月1日。

この日に今年の梅干し・梅酒の計画を作る。梅干し・梅酒に関する法律に定められています。

赤にするか白にするか
量は何キロにするか
幾つのロット(トラック)にするか
自宅あるいは親戚の梅の出来具合。
収穫日を予定する。薬剤散布の計画を見直す。
道具の点検
道具・用具など新たに買う必要はないか
去年のものの出来具合(レビューですね)
現在の残量
生産農家の出荷予定(いつから配送か通販サイトで分かります)
漬け込み・土用干しなどのスペースの手当て。

梅干しに青シソを使わない理由

梅干しに青シソを使わない理由

梅干しはもっぱら赤シソの出番ですが、赤い梅干しですから当然です。

が、シソの風味も楽しむ場合は、より香りの強い青シソを使う手もあっておかしくないですね。

どうしてか?

(梅仕事)残ったシソの利用法


(梅仕事)残ったシソの利用法



処理済の赤シソ ⇒ 梅干しの赤シソの再利用

http://umemagic.blogspot.jp/2012/07/blog-post_29.html

処理済みの場合は用途が決まるまでは冷凍保存も出来ます。



未処理の赤シソ ⇒ シソジュースのレシピ

http://umemagic.blogspot.jp/2012/07/2-1.html

なまのシソは保存できませんから、紫蘇(シソ)ジュースにしておくのが無難。

赤シソの調達・青シソの調達

青シソ:

どういうわけか一年中スーパーに出回っているようです。

赤シソ:

出回る時期は梅の出回る時期と同じ。産地と販売の場所にも寄りますが、6月7月が最も出回る頃でしょう。

梅酢漬けは発酵食品か

梅干しは非発酵食品。では梅酢を使った漬物はどちらでしょうか。

普通に梅酢で野菜を漬けるなら、塩の変わりに梅酢を使っているだけなので、立派な発酵食品のはずですが、既にクエン酸で十分すっぱいので、発酵の程度はあまり問題にされません。野菜の旨みが水分と一緒に出てくるだけで十分ともいえます。

<梅酢漬けの保管場所>

発酵を重要に考える時は常温(冷暗所レベル)。


梅酢で既にすっぱいので更に発酵させる必要はありません。


<梅酢漬けの重石>


焼酎消毒してポリ袋に入れて空気を遮断して冷蔵庫に放り込むなら全く不要。重石で圧迫された食感が好きな場合は使って良い。

梅干しは発酵食品か


梅干しは発酵食品か

梅干しは発酵食品ではありません。

強烈な酸と塩分で決して発酵させない長期保存食品です。常識?

梅干を発酵食品と勘違いして理屈の分からない梅干レシピを記載する例を見かけますが、それには理由があります。収穫した梅は確実に発酵を始めているのです。さらにカビ菌の攻撃も受けます。油断すると発酵(腐敗)に襲われます。発酵(腐敗)をとめてようやく梅干になります。



発酵には微生物の存在が必要。

多くの勘違いは「酵素の働き」と「発酵」は別のことと理解していない時。酵素は微生物で無く蛋白質などの有機物でしょう。酵素が食物に働きかけてアミノ酸を取り出したりして味に作用します。

発酵は微生物が糖分などを取り込んで二酸化炭素を出します。ついでに色々なものを生成する。

過熱して微生物を殺せば発酵は止まる。温度を低くしても微生物の活動は止まる。発行を進めるには常温~人肌(ひとはだ)がいいのでしょう。

酵素の働きも温度の影響を受けますが、対応力はあって発酵ほどには気遣いは要らない。

微生物が酵素を作り出すケースもあるだろう。ある程度、微生物に働いてもらった加熱するなどして微生物の影響を止めさせ、次は酵素の働きで、旨味を抽出するのは、物によっては常套手段かも知れない。



 発酵と酵素

梅ジャムに使う砂糖

梅ジャムに使う砂糖



梅の砂糖煮がジャムですが、煮る梅の分量と同量の砂糖が基本。多分、相当甘いです。保存食品。

甘さを抑える時は、半分、四半分など分量を押えて作ります。この場合は、梅に限らず、消費は早くします。目処は1年以内。冷蔵庫保管。砂糖を抑えると美味しくない時もあります。その時は砂糖又は蜂蜜などで甘味の調整をします。自然食品はヘルシーですが不味い時も。

梅の完熟の度合いや自分の好みで分量を決めます。

砂糖で50%、蜂蜜で20%などとバランスさせるのも1つのアイデアですね。糖分は追加は出来ますが、抜くのは難しいですから、最初は75%前後を目処とするのが賢明かもしれない。





どんな砂糖を使うのか?

白糖はしつこくなりそうだがジャムには向いているかも。

グラニュー糖も悪くない。

和三盆。高いだけですからもったいない。味が良くなるかどうも。好きな人はどうぞ。

黒糖。黒糖の癖が好みなら、結構面白い味になるかも。

氷砂糖。これが定番らしい。が、やはり少し高くつく。氷砂糖はグラニュー糖と同じです。氷砂糖を使う必然性は何もありません。

蜂蜜。全量蜂蜜はやはり高くなりそうだ。


仕上がりをプレーンな感じにするなら、氷砂糖・グラニュー糖あたりが良さそうだ。

それ以外はそれぞれ主張があるので好みとオサイフ事情でミックスさせていって良い。

完熟梅を使うときの注意

一にも二にも丁寧に扱う。表皮が破けやすい。

重石は使わない。

大量に纏めない。自重で破損します。

少量の梅干しを作る

スーパーでは1キロ単位で袋に入って売られていますから、1キロの梅干しを作るとして、手順は何も変わりません。

ポリ袋を使うのでよりスムーズに出来ます。

ポリ袋・ポリ容器は安全か

ポリ袋もビニル袋も区別が付きませんが、食品保存用として販売されているものを使います。

クエン酸と塩分がどういう絡み方をするか分からないので、他の用途のものを流用するのは、避けておきたい。

使うときは水で洗って焼酎で消毒します。誰が触ったかもありますから念のため。



漬け込みの世話をしている時はこのようなケミカル用品でいいですが、長期間の保存を行うときは、密閉型のガラス瓶を使います。中が良く見える透明のものがいいです。

梅の表皮が破れたら

早めに取り除きます。取り除く段階に応じて、再利用の用途を考えます。

初期段階なら梅ジャム・梅ジュース。

中期段階、漬け込み後なら、赤シソと合わせてユカリもどきに仕上げます。消費は早めに。

後期段階、保存モードなら、普通に食べて良いですが、早めの消費とします。取り分けておくのがいいです。

冷暗所としての冷蔵庫の是非

先人の言葉を拝聴すると、冷蔵庫は不適当とされています。発酵が進まないからでしょうか。良く分かりません。梅はクエン酸ですっぱいので発酵してすっぱいのではありませんね。発酵食品ではない。

一般の家で、10度以下の場所となると、床収納、パントリーあたりが候補になります。目が届きません。返って、カビを呼び込んでしまいそうです。ただ、冷蔵庫に余裕がなければ長期保存モードになったらこのような場所を利用していいです。漬け込み開始の時はカビ対策が途上ですから注意が必要です。

結論としては冷蔵庫で十分というか冷蔵庫こそがベストと思います。野菜室を利用します。こまめに面倒を見る初期段階は冷蔵庫保管は必須ですね。

梅酢が濁っている


梅酢が濁っている




ここでいう梅酢は梅干しを作るときに出てくる梅酢のことです。本来は無色透明ですが、梅干しの漬け込みに問題があると梅酢が濁ることがあります。梅酢の様子をみて濁っていないかどうか確認することも大事です。

梅酢は、赤シソを入れて、シソの葉がちぎれて少しずつ汚れてきますが、濁り(にごり)は、果肉が敗れていることが原因のことが多いです。完熟梅に重石が載れば表皮が破れるのも当然。この場合は何も気にしなくていいです。

汚れが嫌な場合は、梅を引き上げ、果肉表皮の破れた梅を外し、梅酢は濾して綺麗にしてから、梅を戻します。

表皮が破れて外した梅は赤シソと一緒にユカリもどきに転用します。

怖い原因

汚れ・濁りの怖い原因はカビです。

早めに、梅を引き上げ、表面を布などで拭いて乾かし、焼酎消毒。天候の具合がよければ直射日光に晒します。土用干しのミニ版ですね。

梅酢は濾して濁りを取って煮沸消毒。濁りが残っていたら再度濾します。梅を戻して漬け込みを継続。塩分濃度を低くし、アルコール(焼酎など)も使わないとカビの被害にあうリスクが高まります。


  • ⇒ カビは始末が悪いのでカビが生えてしまって満足度の低いものを食べるよりはあっさり全部やり直したい。しかし、量的にも時期的にもやり直しが効かない場合は上記の修復で逃げるしかありません。ロットを分けて被害を最小限にする工夫も今後は必要でしょう。



手製の梅酢を利用するのもいいですが、市販の梅酢も使ってみましょう。専門店のプロのチューニングした美味しい梅酢を楽しめるかもしれません。



なぜカビや腐敗が生じるか?

シロップの場合は砂糖を充満させるので菌やカビが残っていても活動できない。梅干しも塩を充満させてしまえば同様にかびたり腐敗したりする懸念はない。逆に糖分を押さえたり塩分を押さえたりすると菌類は活動のチャンスが出てくる。

重石をすれば梅酢が早く上がるのでカビ菌の動くチャンスは減るが、塩分が薄ければ頑張るカビ菌もいるだろう。極端に重い重石の場合は果肉を破損させてしまうので程度問題になる。

カビや腐敗の回避策は色々あります:

  1. 冷蔵庫を使う。常温で仕込み・保管をやると菌類が活発になる。
  2. 空気を入れない。ジプロックなど空気を追い出すことが出来る容器を使う。
  3. 酒を利用する。高アルコール度の酒(ホワイトリカー、ブランデー、ラム酒など)で目的に合うものを選んで、漬け込み時に梅に噴霧する。殺菌効果に加えて、塩が解けて表皮を覆うのを促す。
  4. 極端に塩分濃度や糖分濃度を下げない。梅干しなら食べる直前に塩抜きする方法もある。


  1. の餌があるので容易に被害を受けるが、梅干も梅酢が出て表皮が空気から遮断されるまでの間に、

梅酢の上がり時期






塩分を高くして(20%前後)重石を乗せれば、2日ほどで上がり始めます。


塩分を低くして(10%前後)重石も使わなくても、1週間もあれば梅酢は上がります。

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1週間も経って、梅酢が上がってこなかったら何か事情があります。乾燥梅を使った?、ビニール袋に穴が開いている?、塩でなく小麦粉を入れた?、誰かが勝手に使ってしまった?。勿論冗談です。

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梅と塩をジプロックに入れて冷蔵庫に保管すれば数日で梅酢が染み出てきます。

重石を使うのは必須ではないが、その場合は上下を1日おきに変えてやればより効果的。

雑菌が紛れ込んでいると嫌だから、

焼酎を噴霧したあと、空気は抜いておく。

梅が空気に触れないことをより確実にするなら、酢(林檎酢)を少し入れて、塩が溶けやすいようにしておいても良い。

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梅干は発酵とは関係ないので、単純に余分な水分を取り出せればいい。

但し、美味しさ(タンパク質?)が抜けては困るから手稲に扱うこと。安易に梅酢は捨てないこと。

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漬け込みの塩が溶けない


漬け込みの塩が溶けない

塩と塩分濃度

漬け込むが塩が溶けないで底に溜まっている。梅酢の上がりが遅いと塩が残ります。

塩の入れ過ぎの場合は底に溜まります。当然。計量ミスがないか確認してください。昔の梅干しなら梅の重量の10%~30%が普通。健康志向の今時は流石に20%を越える塩分にはしません。10%~15%を目指す人が多いようです。

健康志向で10%以下を目指す人もいますが、作り方も気を使うし、味も今一ですから、自家製では少ないのではないでしょうか。減塩梅干しが店先で売られていますが、梅干しをお湯に付けて塩抜きして食べているような感じになります。そういう味も勿論好き好きです。

果肉の量が少ない痩せた梅を利用すると重量の割りに梅酢は少なくなって塩が溶けにくくなりますが、漬けこむ前の乾燥をやり過ぎたとしても、目で見て分かるような影響は考え難いですね。気にするようなファクターではないということです。

どんなに入れすぎても塩分の濃度には限界がありますから、気にしなくていいです。1キログラムに対して350グラムが限界。計量ミスかどうかも分からず溶けない状況だけがある場合は、仮に300グラム(30%)で漬かっていると判断して同量の酢を入れれば15%に戻せます。勿論、底に沈んだ塩は取り除いてください。

計量ミスが明確なら、一旦梅を取り出して、塩分の濃度を調整します。濃度が分からなくなってしまったら、一度洗ってやり直します。但し、時間が相当経過していた場合は、酢を加えて調整しますが、確かな舌を持っていることを祈りながらやります。本当に分からない時は自分の舌だけが頼りなんて、言っていて、最近は多分、塩分濃度を測るものも売っているのでは。

計量ミスが無い場合は、梅からの水分がまだ追いついていないだけですから、もう少し時間をかければ解決します。1日1回、梅の天地を変えて梅酢の上がりを促します。重石をすればもっと早まりますが、時間が有れば自重だけで済ませます。

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漬け込むときの工夫として、軽くお酒(ホワイトリカで十分)で梅を湿らせてから使うと、塩が溶ける案内になって梅酢の上がりも早く出来ます。




完熟梅の灰汁抜き(アク抜き)


完熟梅の灰汁抜き(アク抜き)

完熟梅

基本的には必要ありません。長時間水に漬けると返って品質を損ないます。生産過程での表面の付着物リスクを考慮して、冷水に1時間置きます。それが限界。30分でも構いません。

青と黄色とミックスの場合は、色の具合でより分けて時間をコントロールします。暇な人なら出来ます。忙しい人はアバウトで。



青梅の灰汁とは?

えぐみ・渋味・苦味の原因成分ということになるが実際は何でしょうね?。生きている梅、まだ種を放出する準備が終わっていない梅、これは鳥とか虫とかに食べられないように不味い成分を保有させている。種の成長が終わると放出OKだから色・硬さ・味・匂いを変えてOKのサインを鳥とか虫に送る。多分。

青梅を無理やり食べる人間は工夫を余儀なくされる。水に梅を漬けて灰汁抜きができると信じて誰でも青梅は数時間水に漬けてから使っていますが、水に漬けた青梅をかじっても美味しくないので中途半端な灰汁抜きなんでしょう。

梅ジャム


灰汁抜き、ヘタ取り、乾かす辺りまでは梅干しの工程と同じ。

青いも黄色いもキズありも気にしない。

包丁を入れて種を取り除く。皮はむいた方が味は良さそうだけど。面倒ですね。時間がある方は丁寧に。

梅はたっぷりの?お湯を張った鍋に入れて煮立てます。灰汁が出るので、数回(2,3回?)お湯を変えます。皮むきが出来ていると灰汁の抜けも早くなります。

梅が柔らかくなったら、笊(ザル)に上げて冷まします。

梅を計量します。

梅と同量の砂糖を用意します。

砂糖の3分の1と梅を入れ煮詰めていきます。この時もまだ灰汁が出ますから取ります。更に3分の1を加えて灰汁を取り、更に残りの3分の1を加えます。



普通だな。

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梅ジャムは、兎に角、呆れるくらい酸っぱい。 特別なニーズが無いと作っても冷蔵庫かパントリーの古株になるだけで、まあ、残念賞になりがちだ。砂糖をやたら入れる理由もその辺だが、砂糖を入れ過ぎると、不健康と言うか一体何を食べているのか分からなくなる。

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発想を変える。

梅仕事で失敗した梅は最後はジャムにするなんて発想は止めて、ちゃんとした梅ジャムにする。極上を少量作って特別な調味料として大事に消費する。

選ぶのは外も内もきれいな梅。 失敗した梅や、仲がゼリーになっている梅や、傷物は避ける。

冷水での灰汁抜きは2時間程度。冷蔵庫に入れるなら一晩でも構わない。

蔕(ヘタ)を外す。下手のところの汚れは丁寧に拭う。スプレーでも落とせるなら尚よい。

(1)果肉感を残すジャム。

(2)果肉感を残さないジャム。

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(1)
  1. 種も外さないで、そのまま浸る程度の水で煮る。灰汁が出てくるから、何回か取ってさし水する。
  2. 十分柔らかくなったら、水を(お湯)を捨てて、ヘラでそっと梅をつぶす。果肉が残るようにして種を取り分ける。皮は好みで取り分けてもいいが、残してもいい。皮を残した方が果肉の感じは残る(舌が騙される)。
  3. 用意する砂糖は、ミネラルの入った天然系でもいいが、グラニュー糖が取り敢えずは無難。量はほぐした梅と同量(最大)か、2分の1(最小)か、その中間。
  4. 砂糖は少しずつ入れながら、低い温度で煮る。かき混ぜないこと。
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(2)
  1. 最初は同じ工程。 
  2. 丁寧に念入りにほぐして、タネも皮も外す。粗目の布フィルターで漉してもいい。
  3. 砂糖は同じ要領。今度は出来るだけかき混ぜる。
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瑕(キズ)のある梅の扱い方


瑕(キズ)のある梅の扱い方

キズ(瑕・傷・疵)のある梅をそのまま梅干しなどに使っていいか?という問題です。

梅のキズ

  1. 日焼け
  2. 風で枝にこすれる
  3. 収穫作業で何かに当てた
  4. 落とした・落ちた
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少量作って短時間(長くても1年以内)に家族だけで消費するなら、見た目は悪くなりますが全然構いません。

(梅干し)

こだわりの梅干し、超減塩とか、客に振舞う自慢の梅とか、梅干しの美学を追求するなら、傷物は取り除きましょう。キズがあればカビなどに対しても弱いかもしれません。

基本的に、包丁でカットしたくなるような瑕・痛み・汚れのある梅は使わない。カットしたものを使えば梅が潰れて果肉が飛び出して散々な目に合いそうです。

(梅酒)

梅酒の場合は、梅の実を取り出さないで梅の実を見ながら梅酒を楽しむ場合はやはり形のいいものを。長期間熟成ですからキズがあっても目立たなくなるでしょうが、基本形は除外しましょう。

包丁でカットしたくなるような瑕・痛み・汚れのある梅は使わない。カットしたものを使えば液体が汚れてしまう。

(梅シロップ)

梅シロップはどうせ早々に処分しますから、キズは気にしなくていいです。取り出すのも10日間ぐらいですからカビのリスクも小さい。

目立つ傷がある場合は瑕は包丁などでカットします。梅を漬ける時間がせいぜい10日間ですから、シロップを汚すのも限定的です。梅を引き上げた後は、消毒のために軽く火を通して濾過しますから少々の汚れは除去できます。因みに梅干しは勝負が長いのでカットまでして利用することはありません。

(梅ジャム)

どうしても心配なら形に拘らない梅ジャムに回すのが常道らしいです。梅酒、梅シロップに使った梅も梅ジャムに回しますがフレッシュな梅のジャムも欲しいですね。

梅ジャム用に供出される梅が出てくるタイミングが異なりますから冷蔵庫か冷凍庫に入れて保管し、量が確保できた段階で梅ジャムつくりに入る方法と、都度梅ジャムにする方法がありますが、後者がお奨め。手間ですけど。色々合わせると中途半端に不味いものが大量に出来てしまいます。用途も限られてしまいます。

瑕は構わずジャムにといっても瑕ごとジャムにするわけではありません。瑕の程度問題ですが、基本は包丁などで切り取ります。



キズといっても程度問題ですから、線引きは個人的な判断で良いでしょう。




梅酢が上がらない


梅酢が上がらない

漬け込んで梅酢が上がるのを待ちますが、急いでいる人の場合は梅酢の上がりが遅くなります。のんびり構えた人の場合はさっさと梅酢が上がり始めます。マーフィーの法則。

梅酢

梅酢とは青梅のなかの水分とか梅エキスとか。特にクエン酸ですね。これが塩をふってやると浸透圧作用で外に染み出ます。梅酢が上がるわけです。

<梅酢を上げるには>

(重石を使う)

重石の重さは梅と同重量、あるいは梅の倍の重量とか聞きます。重石をすると植物の組織が破壊されて塩分の浸透が早くなります。ですが、本当に遅い場合(急いでいる場合)は少し重くしてください。無理強いですが、梅の中の水分が出やすくなります。普通の漬けものと同じ。

植物の組織を壊さないで食感を楽しむ場合、朝漬けなどは重石を使いません。

梅干しもカリカリ漬けは重石は使いません。普通の梅干しは普通に重石を使っていますが、漬け込み時間が十分あれば重石なしでも構いません。本当?。重石を使って早く梅酢を上げて梅と空気の接触を回避できれば梅干しにカビが生えて駄目になることを防ぐことが出来ます。昔は重石は必須だった訳です。今はポリ袋に入れて空気を追い出し、ホワイトリカーで消毒して、冷蔵庫にでも入れればカビは容易に回避できます。

樽などで漬ける場合は重石は必要でしょうが、ビニル袋を使うときは、空気に触れるリスクも回避できるので、極端に言えば、不要です。純粋に浸透圧現象だけで水分を引き出していいです。時間は掛かります。

塩が容器の下に行きますから、上下を入れ替えるのは適切です。1日1回で十分。樽は面倒ですがビニル袋なら超簡単。ても基本的には汚れません。

(塩分濃度)

塩分濃度が薄いと梅酢は上がり難いです。減塩梅干し(10%以下)は時間を掛けて。自家瀬梅干しは20%前後で仕込むので梅酢は朝の夕方には上がり始めています。

昔は塩分濃度も30%前後まで使っていたようです。梅酢の上がりも促進されたでしょう。

(温度=保管場所)

温度が低いと浸透圧による水分の移動はゆっくりになる。本当?。常温なら早くなる。



減塩で、重石も不十分で、冷蔵庫に入れておけば、梅酢が上がるのが遅くなるのは当然。でも美味しいものになる可能性もあります。

柔らかい梅干し

完熟梅を使う。

あまり柔らかいのは気持ち悪いですが、この辺は好みですね。兎に角、柔らかい梅を使えばいいです。

3日3晩の土用干しで、梅の皮を柔らかくできるそうです。温度を上げて乾燥させて、温度を下げて夜露に濡らしてを繰り返すと皮がダメージを受けて柔らかくなる。

夜露の変わりに焼酎霧吹きして冷蔵庫に戻すでもいいし、いっそ、夜は梅酢に戻しても良い。

何もしないで梅酢に漬けたままでも柔らかくなる。

固くする方が難しい。

1)青ウメの固いものを使う。
2)漬け込みは梅酢が上がったらさっさと引き上げる。
3)土用干しはスキップする。または半日程度で済ます。
4)そのまま保存容器(梅干し壷?)に移す。梅酢に浸さない。

こうすると割りしっかり固い梅干しができます。普通は、漬け込みのタイミングを計っているうちに勝手に青ウメが熟成を始めます。漬け込んで梅酢が上がってそのままにしていることも多いです。土用干しはどちらにしても、保存容器には梅酢を少し浸すようにします。ですから勝手に柔らかい梅が出来てしまいます。

まあ、せかせか慌てて作るとろくな梅干しにならないということがはっきりします。

メーカーは圧力とか薬品で時間の節約しています。ですから不味いのです。

梅の灰汁抜き(あくぬき)

あく=灰汁

青い梅は一晩冷水に漬けて灰汁抜きをします。夜8時から朝8時まで12時間。

黄色い梅は熟成の程度で短縮。灰汁抜き不要とする人もいますが、表面の付着物が気になる場合は1時間程度でも、兎に角、水に漬けてみる。

トラブルは、取り出し忘れ。朝、忙しくてそのまま会社に行って。水はすっかりぬるま湯になっていて。など悪条件を重ねていくと、水の中で梅は変色、ぶよぶよ。程度が酷いものは多分美味しくないので梅干しから外します。量にもよりますが、冷蔵庫の中で灰汁抜きすれば、忘れる心配もありませんし、忘れても変色リスクは軽減されます。(灰汁抜きできていない?)

少々の変色は無視して進めましょう。風味は確実に落ちていますが多分見分けは付かないでしょう。

梅干の量

梅干の量

一度にどれくらい漬けるのが妥当か?という問題です。

個人の家で、大家族で、1年でどれくらい費消するのか。家によって違いますが、一人1日1個。年間200個。5人で1千個。凄い量だ腎臓は壊れる。

現代の人なら、月5個。年間60個。一人はこんなもの。夫婦なら年間100個から150個の間。1キロ買うと概ね30個入っている。小粒だと40個。歩留まりあるが、二人暮らしなら5キロ~6キロ。大家族は子供か老人が増えるので1.5倍で十分。7キロ~9キロ。この程度ですね。

梅干し大好き、腎臓大丈夫の家族の場合は適当に倍率掛けて(2倍とか3倍して)の程度で見てください。

これを一気に一樽で漬けるのは止めましょう。お勧めは3つに分けて漬ける。時期も1週間程度ずらしていく。2キロずつ3回、3キロずつ3回。漬け樽を使うなら10リットル程度の樽を複数用意するのがいい。

ビニール袋で漬ける場合は、強度の問題もあるので、小ぶりな1キロのものを必要数用意すれば良い。

ウメ1キログラム=5リットル容量と想定しています。

土用干しの夜露の効果


土用干しの夜露の効果

夜露

温度が下がって飽和水蒸気量が下がって空気中の水分がものの表面に取り付いて夜露になります。日中の高い温度と乾燥、夜間・明け方の低い温度と湿気を交互に繰り返すことで、梅の中の湿度が適正化される・果肉も程よく柔らかくなる(熟成が進む)ことを期待して行うのが土用干しです。

ですから、夜は取り込んで焼酎噴霧をして冷蔵庫~冷暗所に入れておいても問題ありません。場所によっては熱帯夜がつづくとかコンクリートジャングルとかで夜も暑い・夜露など見たこともない地域では夜間のベランダは深夜便大型トラックの排気ガスに晒すだけで何をやっているのか分からなくなりますね。

夜も夜風に当てて熟成を進める部分はスキップ。気持ちの問題。環境に恵まれた田舎暮らしの人はどうぞ。

夜、梅酢に戻す人もいるようですが、好みでどうぞ。夜露に当てるのと同じ効果を期待してのものでしょう。しかし、昔風に拘ればNGでしょうね。梅酢に戻してしまったらやり直しと同じじゃないですか。塩分の濃度を高めてカビに強い梅にする部分が欠落します。

雨などの何かの事情でリセットしたい時は梅酢に戻します。一晩置いてから改めて土用干しを再開します。




梅干の土用干しの必然性

梅干の土用干しの必然性

昔は冷蔵庫ありませんから、長期保存には高い塩分と高い酸度が必須要件。しっかり干してそれらを確保していたのでしょう。梅の収穫も天候しだいですから、豊作の時に出来るだけたくさん作って長期保存。今は日本中から手に入るので、必然性はありませんね。

梅酢漬けとして食用して十分。

ただ、手作りで梅干を楽しむ人にはこのプロセスを欠かすのは自己否定みたいなもの。手抜きするなら買って来いや~なんてね。まあ、要するに気持ちの問題。風味が出るといってどの程度かは普通の味音痴には分かりません。


赤シソの土用干し

梅干に入れた赤シソの扱い

1)梅を干すときに、赤シソも土用干しを行います。
保存性を確保するため。十分乾燥させて、冷蔵庫に保管します。常温でも問題ないですが、念のため。使い方はいろいろ。

2)土用干しをしない場合は、軽く絞って冷蔵庫に保管。常温だと劣化・変色が早い。冷蔵庫に入れても1年以内で消費するのが適当。

梅の土用干しのトラブル:塩の結晶かカビか


梅の土用干しのトラブル:塩の結晶かカビか

梅に白いものが付いている

白いものは普通は塩の結晶。触った幹事がざらざらしている筈です。運がよければ塩の結晶の四角い形が見えるかもしれません。焼酎を吹き付けると消えてくれる筈です。

カビが白く付着することもあります。丁寧に取り除く。こそぎ落としてもいいし、消毒した布でふき取ってもいい。カビの形状で工夫する。塩の結晶以外は取り除くことでOKとします。

希に果肉のエキスが染み出る(実際は何処かに穴が開いているんでしょうね)ことがあります。汚れていなければそのまま。心配なら焼酎消毒しておきます。

因みに、

梅酢の表面にカビが浮くこともありますが、膜状の場合、塊の場合、この時は、箸などで除去できるものは除去し、その後、梅酢を鍋で煮て、要するに煮沸殺菌します。冷まして普通に使うことが出来ます。ただ、この場合は原因について考える必要があります。丁寧な作業、十分な塩分、消毒(高い濃度の焼酎を噴霧)をウメ、道具、手にしておかないと。保存環境(冷暗所)。

とは言ってみたものの、梅酢を鍋で煮るってどうかな。鍋に穴が開きそうだ。梅酢って酸ですからね。きれいなホーローの鍋か耐熱グラスの鍋を使うのかな。

土用干しのトラブル:雨に当たったら


土用干しのトラブル:雨に当たったら

日中の夕立は要注意。事前の予報も当てにならない。夜間の降雨もある。上に屋根とかカバーがあって直射日光も受けられるってなかなか難しい。昼はさっと取り込む。夜は屋根のある風の通るところ。ベランダなどは最適。

とは言え、

◇ 雨に当たってしまったら?


  • 降り始めの雨の中は埃(ほこり)も多いので、焼酎噴霧で表面をさっと洗う。幹線道路に近い場所は只のチリ・ホコリでは済まないけど、そんな場所で屋外で土用干しはしないこと。室内で窓越しの日光でやりなさい。
  • 少し乾いたら梅酢の一部を使って、さっと浸してやる。筆でさっと塗っても良い。表面のゴミ除去と殺菌をして、表面の塩分を回復させる。
  • 雨に当たった時間が長い場合は焼酎消毒の後、梅酢に数時間戻すのが良さそうだ。塩分のバランスをリセットするため。その場合は1日以上、土用干しすること。


◇ 最終日に雨に当たったら?


  • 土用干しが1日伸びる勘定です。

雨は汚いのに夜露はきれいなのか?。答えはイエス。雨はもともとゴミが核。夜露は飽和水蒸気が直接梅の皮に凝縮するもの。

土用干しの時期~季節はずれの土用干し

土用干しの時期~季節はずれの土用干し

梅の収穫・消費のサイクルから判断すれば、季節はずれに土用干し(乾燥)させるの何処かに無理が出るかもしれない。でも、保存状態の良い青ウメや寒い地方で収穫されたのが秋口に手に入ることがない訳ではないから、強い日差しがあれば普通に土用干しをすれば良い。気温が低すぎるようなら室内の窓際を利用。

季節はずれは、しかし、カビなどのリスクが下がるメリットもある。日向があればベスト。なければ陰干し3日でもそれなりに乾燥して風味は増すことが期待できる。



いろいろ手間が掛かりそうなら梅酢漬けのまま利用しても良い。

土用干しをすると梅干は柔らかくなるか

土用干しをすると梅干は柔らかくなるか

天日での乾燥と夜露の湿気を繰り返すことで果肉の中の繊維質に変化をもたらすことが期待できる。と何処かに書かれていました。そうかもしれないけど、実感としてはあまり関係無さそうです。1年間もそういうことをやればふにゃふにゃが期待できるけど3日3晩程度では如何でしょうか。気持ちの問題程度でしょうか。

柔らかさに対して決定的なの調達した梅そのものの柔らかさです。青ウメでは先ず難しい。黄色からオレンジ色に熟したウメなら期待できる。黄色でも固いものもあります。熟しすぎて最初からふにゃふにゃした梅なら柔らかい梅干になりますが、好みの程度問題でしょう。

最近の市販の梅は薄塩で柔らかいものが多いですが、多分、特殊な製法なんでしょう。この手で良ければ市販品で十分。手作りの意味がありませんね?

大きい黄色い梅を買って、呼吸の出来る容器(紙袋)に入れ常温で2,3日熟成させる。匂い(香り)と柔らかさを見て、漬け込みに入る。この段階の固さ(柔らかさ)が最も重要。

クエン酸にこだわる


クエン酸にこだわる

果実などに含まれるすっぱい成分?でいいかな。

シソと梅を漬ける時は梅の中のクエン酸が始祖の中の何たらと反応して素晴らしいルビー色の発色になる。

シソジュースはシソのみだから酸を加えて発色を促す。

ここで酢酸(お酢)を好む人とクエン酸に拘る人がいる。酢は酢を作る材料によって色々な風味をあわせいれ楽しむことが出来る。好みがはっきりしている人はそれに合う酢を使えばいいし、いろいろ試してもいい。

シソジュースをお酒で割ったりして使う場合は、ベースの味付けはピュアにしたいと思えばクエン酸に拘るのもある。




クエン酸は「Home made Cake クエン酸 CITRIC ACID」(共立食品)150円30グラムでスーパーで売られている。薬局でも簡単に手には入る。



クエン酸

いざクエン酸を購入しようと思って調べると適当にヒットしてくれない。クエン酸って食用と思ったら掃除用なのね。驚いた。

土用干し

(問題)変色

土用干しで梅の色がより赤くなる?

気のせいでしょう。

強いて言えば、濃縮効果。

悪いケースでは、一緒に土用干しを始めたシソが常温で変色(黒くなる)が進み、それが梅干にも影響した結果かもしれません。夜間、梅酢に戻すとシソの変色の影響を受けやすい。

(梅仕事)土用干し


(梅仕事)土用干し

土用干しの期間と時間

土用干しの基本的な狙いは梅の中の水分を追い出して酸と塩分の濃度を究極に高めることで保存性を確保することにある。直射日光による殺菌効果もあるが梅酢から引き上げることでカビの付着リスクは返って高まる。乾燥を繰り返すことによる果肉の柔らかさと風味の醸成も期待できる。

干し椎茸が生椎茸よりはるかに旨み成分が強いように干した梅も旨みが増すと信じることにする。根拠はありません。

直射日光に当てる時間は1日でもいいし3日でもいい。4時間~12時間ぐらい。曇りの日でも外に出して、見えない光(紫外線と赤外線)と風に当てる。風味が増す。と信じる。

3日3晩。初日、晴れを確認して、お昼前後からしっかり光に当てる。後はそのまま放置がベスト。夜も取り込まず夜露に当てる。まあ、濡らして乾かすだけの話。果肉の繊維質が少々は影響するんだろうと期待する。夜は取り込みたい場合は、夜露の変わりに焼酎の霧吹きを軽くやっておく。

焼酎はカビの付着を防止する。カビこそが土用干し最大のリスクです。皮肉なことに。

梅は適当に天地を変えて満遍なくお日様に当てる。

4日目の朝、夜露が乾いたものを取り込む。長期保存をもくろむ場合はこのコースで。足掛け4日のコースです。

時間がなければ、2日目の夕方の取り込みにする。足掛け2日。



夜は梅酢に戻す人も多い。夜露が期待できないと考える人の行き過ぎた作法かもしれません。夜も実際は乾燥が進むので、それを全く停止させてしまうのは中途半端になります。梅酢に浸して直ぐまた笊に戻すのが妥当。焼酎の霧吹きでも良い。何れも夜露の代わりとカビ発生の防止に繋がる。

注意:

減塩梅干しで梅酢の塩分が不足する場合はカビ防止能力が低いので、焼酎霧吹きの方が良い。

※ 

土用干しは結構疲れます。夜はビールとウナギで元気回復。

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土用干し

土用干し

(問題)ロケーションに難有り

マンションのベランダ。交通量の多い道が近くにあって、洗濯物も一昼夜干していると黒ずむ。こんなところで土用干しやったらどんな梅干になるか。

(1)時間が自由になるなら、日差しが出ている時だけ、短時間でも日に当てる。
(2)短時間でも心配な場合、排気ガスの程度によってはベランダに出さず窓越しでも良い。

何れもベランダに出した場合、夜は必ず取り込む。

(3)梅酢漬け

適当な場所が無い場合は、あっさり土用干しは諦めて良い。梅酢漬けとして楽しむ。日当たりの匂いがしないので土用干しをスキップする梅酢漬けを好む人も少なくない。

一旦、梅酢から梅・シソを引き上げる。シソは変色しやすいので、軽く絞って分離して冷蔵庫に保存。梅は保存容器に入れ、軽く浸る程度梅酢を入れる。好みで少量だけシソを載せてもいい。余った梅酢は梅酢付けなどに使う。


干していない梅:梅酢漬けは日持ちが限定されるので、目処として1年で消費させたい。

シソジュースのレシピ

シソジュース2リットルのレシピ

シソジュース1.5リットルのレシピも同じです。その辺は適当で宜しく。


<道具>

1)保存用の容器:ガラス瓶、ペットボトル、など。密閉できるもの。サイズは1.5リットル~2リットル程度。大小サイズを織り交ぜて利用しても構わない。保存用ガラス瓶として販売されている広口ビンは案外使い難いです。
2)濾し具:ガーゼ、サラシ布、紙、など。不純物を濾し取ることが出来れば何でも構わない。
3)煮出し用の鍋:酸を入れるので余計な汚れがついていないもの。

<材料>

1)紫蘇(シソ)の葉:300グラム。茎の部分を取り除きますから、束の場合は600グラムが目安。2束か3束です。梅干で使ったシソの虫食いなどで除けた葉も利用します。赤シソは季節になると束売りをよく目にしますが、青シソは高くつくかもしれません。半分の量でも進めてもいいでしょう。
2)砂糖又は蜂蜜:色々なものを入れて楽しむならグラニュー糖が無難。好みで黒糖、蜂蜜なども楽しい。量は、グラニュー糖なら500グラム。ミネラルの多い黒糖などなら600グラム。ちょっと甘すぎるかと思いますが、後で糖分を薄めることは出来るので気にしません。それより保存性の確保?なんちゃって。
3)クエン酸:量の加減が分からない。30グラム程度。酢を使うときは300ミリリットルから500ミリリットル。


<手順>


  1. シソは茎を綺麗に切り離して葉だけにする。
  2. よく洗う。後で濾すのだが泥・ゴミは入れないこと。味に影響しないとも限らないから早い段階で除去する。
  3. 紫蘇の葉の水を切って量(グラム数)を確認しておく。
  4. 鍋に水とシソの葉を入れる。水の量を確認しておく。
  5. 強火で煮る。沸騰したら中火に戻して更に10分程度に出す。
  6. 火を止めて紫蘇の葉を取り出す。箸で拾ってもいい。
  7. 細かい汚れも早めに除去したいので、布などで丁寧に濾す。
  8. 鍋は一度洗っておく。不純物がなべ底に残っているから。
  9. 濾したシソ煮出し汁を鍋に戻して、クエン酸と砂糖を入れてよくかき混ぜるる。
  10. 再び、中火で10分程度煮詰める。灰汁が出るのでこまめに掬う。
  11. 保存容器を焼酎で殺菌したあと、熱いままのシソジュースの少量を入れて洗う。
  12. 保存容器に熱いままのシソジュースを入れて冷ます。なべ底に濾し残りがあったら捨てる。
  13. 冷蔵庫に保管する。ひと夏くらいは常温保管でも構わないが、冷やして引用するので結局冷蔵庫保管になる。
  14. 青シソジュース、赤シソジュースの量の割合は1:2ぐらいの量で作成すると収まりが良さそう。勿論、好みです。
<楽しむ>
  1. 原液をオンザロックでちょびちょびたしなむ。?
  2. 冷水で2~3倍に薄めて飲む。
  3. 炭酸水で割って飲む。
  4. 焼酎の水割り代わりに。
  5. 原液をヨーグルトソース代わりに使う。

<おまけ>

煮出した後に余ったシソの葉は捨てないで。シソを刻んでシラス・ゴマと混ぜてもよい。干して梅干と混ぜてゆかりっぽく食べても良い。要するにシソの風味は十分残っているので食用してください。



シソジュースを作る


シソジュースを作る

シソジュース

シソ(紫蘇)を使ったジュース。でもジュースは100%果汁が基本だから定義上は不適切なんだろう。でも慣習?でシソジュース。普通は赤シソを使った赤いジュース。

梅と紫蘇は本来関係ないが日本人なら梅干の印象でその2つは感覚的に強く関連付けらている。ク

赤シソを使うと鮮やかなルビー色が楽しめる。

青シソを使うとシソの風味が楽しめる。

どうせなら2種類とも作ってミックスして利用するのが面白そうだ。成分的には色素意外は同じです。だからミックスすることには殆ど意味がありません。

作り方は両方とも同じ。クエン酸または酢酸を加えた時に発色するかしないかだけで、作る時の手順、材料、道具は全く同じになる。

出来上がったジュースは冷蔵庫に入れて保存。初夏の頃に作って、夏の終わりには消費しきるのが普通かな。

冬まで保存して冬のお酒と一緒に楽しむのも有りだけど、その場合は、クエン酸の量も砂糖の量も多めにして保存性を確保することが必要。長期保存用として密封して冷蔵庫に保管することになりそうだ。夏場で消費を終わらせる場合は常温でも問題はないが、どうせ冷やすのでやはり冷蔵庫に置くのが普通でしょう。

冷蔵庫には、大き目のペットボトルに入れて保管するのが、利用する時の手間から考えるとベスト。保存用の立派なボトルも好きだけど、ちょい飲みする度の開け閉めの手間が嫌だね。まあ、その時は500ミリリットルのペットボトルに移して使うのかな。

ペットボトルは大き目のものは1.5リットルとか2リットルのものがあるので冷蔵庫保管にはそれを利用します。高濃度35度の焼酎で中を洗うのは必須。AND/OR 出来上がったシソジュースで洗うことで、雑菌などが入り込むリスクを押えてください。

<材料>

  1. シソの葉 1束~2束。茎も含めて約300グラム~500グラム。
  2. 水:約2リットル。シソ葉の上がりで調整(概ね4倍)
  3. 砂糖:約1キログラム。 シソ葉の上がりで調整(概ね2倍)
  4. クエン酸:30グラム。シソジュースの上がりで調整(1リットルに付き10グラム)

<道具>

  1. ボール
  2. 濾し布
  3. 消毒用焼酎霧吹き(無ければ煮沸でも問題ない)

<手順>

  1. (シソを洗う)シソの葉から茎を外して良く水洗いする。茎を付けたまま利用する方法もあるようだ。梅干しに入れる場合はシソは直接食べるので茎は除去する。葉の部分から伸びているものもカットしたいくらい。シソジュースではシソは捨てるので茎の存在は気にならない。しかし、シソの葉を後利用する場合は、やはり茎は外しておきたい。それに、味についても風味を損ねないとも限らない。
  2. ザルに上げてよく水を切って、計量する。
  3. クエン酸(1リットルに付き10グラム程度)またはシソと同量の酢(種類は好みで。米酢が無難)、シソの倍量の砂糖(砂糖の種類は好みで)、シソの4倍量の水を用意する。
    クエン酸の場合は、シソ:1、砂糖:2、水:4の割合。
    酢の場合は、シソ:1、酢:1、砂糖:2、水:4の割合。重量ベース。
    癖の少ない味付けには、クエン酸、グラニュー糖を使うのが普通らしい。
  4. 鍋に水を入れ沸騰させる。殺菌のため必ず沸騰まで。
  5. 鍋にシソを入れ、中火で数分(5分~10分)で煮る。灰汁が出たら掬う。
  6. シソの赤い色素が溶けて、シソの葉が緑色に戻ったら、火を止めてシソを取り出す。
  7. 鍋の赤いお湯を殺菌した布などで濾しながらボールに移す。取り出したシソの絞り汁も捨てないで合流させる。
  8. 搾りかす状態のシソは刻んで山椒などと佃煮にしたり漬物と一緒に食することも出来るので取り敢えず”捨てない”。
  9. 濾した煮汁を再び火に掛け、人たちさせてから砂糖を加え、良くかき混ぜる。
  10. 火を止めて、十分さましてから、クエン酸または酢を加える。鮮やかなルビー色が発色する。
  11. 保存瓶に入れて冷蔵庫に保管。
  12. 直ぐに楽しめますが、長くても半年くらいで消費する。普通は夏の間に終了。

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