☆早春には梅花を楽しみ 初夏には梅仕事を楽しみ 秋冬には美味を楽しむ 魔法は梅の力。梅干-梅酒-梅甘水を手作りします。先人の創意工夫と拘りに耳を傾けて千差万別の方法論から自分のお気に入りを見つけましょう。2012/Spring

(梅仕事)土用干しは必要か?


(梅仕事)土用干しは必要か?

まあナンセンスが問い掛けですね。定義矛盾。干した梅を梅干しというのです。梅干しと呼ぶ限りは干すのは必要。梅を干すのは梅雨明けですから、どうしても、土用干しになります。



干さない梅干し

干さない梅干しは、「梅の梅酢漬け」あるいは単に「梅酢漬け」と呼んで明確に区別する人もいます。「干す」の文字は入れません。

梅酢漬けは梅酢が上がったボトルまたはポリ袋から梅を取り出して食べる。勿論小分けの器を用意する。

梅酢漬けのセールスポイントは、

  1. 表皮が柔らかい。しわしわが無い(少ない)。食べやすい。
  2. 日向(ひなた)臭さが無い。←梅干しの理解不足。干して直ぐに食べると日向(ひなた)臭さが残りますが、熟成期間(1ヶ月程度?)を置けば消えます。
  3. 手間が掛からない=土用干しの手間、熟成期間の手間が無いので直ぐに食べることが出来る。
梅酢漬けの弱点は、
  1. 日持ちがしない。長時間、保存するとカビが生える。どろどろになる。だから、フレッシュなところを夏の間に食べきる。
  2. 食感が単純。好みの問題です。
梅酢漬けは夏のフレッシュ食材

  • 梅干しを作るときは全てを土用干しにするのでは芸が無い。若干数を梅酢漬けとして引き上げフレッシュな味を楽しむのがスマートだ。勿論、好みの問題だが、7月8月の間に消費する量としては一人当たり5個~10個程度かな。
  • 梅酢漬けは保存食というより暑い夏を乗り切るための食欲維持食材ですね。冷蔵庫を使って塩分も抑え目にして食用するのが良さそう。肉厚の完熟梅をフレッシュなうちに食べたいね。梅酢漬けは「熟成」という考え方は捨てる。

梅干しに土用干しは必須!

梅干しは熟成と保存を達成する時間と手間の産物。その鍵を握るのは土用干し。

梅酒の熟成のやり方は、長時間掛けて梅エキス化し、液体(酒)に取り込み、酒の中で梅の成分の相互作用を促します。

梅干しの熟成のやり方は、塩分を梅の中に取り込んで保存性を獲得した後は、周りの液体(梅酢)を引き離し、果肉の中で成分の相互作用を促します。其の為には、表皮の結合組織の強化と適度な水分の補給、カビなどの侵入の防御を達成するものとして土用干しが必要になります。

表皮が傷ついた梅は長期熟成には不向きですから早めに食べるようにします。

果肉の組織については破壊した方が熟成が早いという考え方と破壊しない方が長期熟成に良いとする考え方が有ります。結論から言えばいくら長期熟成でもつぶれてしまった梅干しに魅力が無いのは明らかでしょう。ですから、重石の利用も慎重にしたい。ポリ袋を使えば圧力が分散されるので有利です。使わなくても構いません。完熟梅は既に果肉の組織破壊が始まっているので特に慎重に扱うべきです。長期熟成を意図する場合は完熟梅でなく半熟梅の方が扱いやすいかもしれない。


去年の梅干しの土用干し

去年あるいはそれ以前に漬けた梅干しが残っている場合は、表皮の破れなどの点検もかねて土用干しをする考え方も有ります。この場合、底に染み出ている梅酢は捨てません。量にも寄りますが、梅に塗ってやればなくなってしまいます。余ったら後で上から掛けます。濾過の是非は梅酢の様子(つぶれた果肉や紫蘇などの濁り具合)を見て判断します。

表皮が破れたり、潰れすぎている梅は取り出して早めに食用します。

毎年、全てを土用干しするのは大変ですから、ボトルの外から見て染み出た梅酢の汚れ具合、下の方の果肉のつぶれ具合をみて是非を判断します。