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出遅れてしまった今年の梅仕事


今年の梅仕事。すっかり出遅れてしまった。去年は6月にあらかた仕込みは終わっていたのに今年は7月になっても未だ何も始まっていない。

でも、去年は失敗の連続。試行錯誤の9割は失敗するものだ。チャレンジは控えめに。保守的な態度が好ましい。



基本方針

~自家収穫梅の利用が最優先~

(梅酒)
  • 自家収穫は管理は天気任せだから食用にする梅干しには出来ない。大きさも熟度もばらばらになるだろう。梅酒にまわすのが適当。梅酒ならばらつきは問題にならない。エキスを抜いてあとは庭に埋めてやろう。と言っても立派な梅が収穫できたらの話ですが、今年は無理でしょう。
(梅干)
  • 梅干しは専門業者から無農薬完熟梅を調達して作る。皮が薄くて柔らかい南高梅が流通量も多く適当だ。自家収穫梅の出来がよければ梅干しにまわす。
(その他)
  • 梅シロップは梅を買ってまでわざわざ作るものでもない。自家収穫の梅が余ったら、シロップにする。梅ゼリーや梅ジャムも同じだ。あくまでも余った梅の処分方法の一つと考える。


今年の結果・見通し
  • 今年は出遅れたし、自家収穫も望めない。そこで、これまでに作ったものの整理をしよう。ものによっては見切りも必要だ。
(1)古い梅干しの再生
  • 梅酢に漬け直して塩分調整を行い、熟成を進めるために土用干しをやる。
  • 梅酢に漬ける時間、土用干しの時間はそれぞれ1日2日で十分だ。
  • 年度別の仕分けは面倒なので、今年の新ものと去年以前の古梅干しとに分けるだけで十分だろう。時間が経てば美味しくなるし人は美味しいものから食べるので自然と先入れ先出しが成立する。
  • 梅酢は昨年のものを利用。
(2)新しい梅干し
  • 今年は見送り。
(3)梅酒
  • 1ボトル仕込んで1ボトル消費開始。梅は自家収穫が使えるなら使う。量的質的に問題なら、ミニマム完熟梅を1キロだけ購入。今年はブランディーで。サントリーから梅酒用のブランディーが販売されていたはずだ。
  • 豊後梅1キロで作成。
(4)梅シロップ
  • 今年は自家梅(白加賀)が不良なため、シロップに回す。
  • 作成済み。


《鬼が笑う?》
  • 梅仕事は梅が基本。本物の梅が入手できない時は余計なことをしないこと。やった分の全てが無駄になる。
  • 本物は、(1)自家収穫、(2)優良サイトからの通販、(3)馴染みの梅農家からの購入。サイズは3L,以上。通販などに頼む場合は5月末から準備に入ること。
  • 量は少なくても定期的(毎年)作ること。
  • 作るのは(1)完熟梅の梅干し。(2)完熟梅のブランデー梅酒、(3)青梅の焼酎梅酒。
  • 梅シロップも梅ジャムも作らない。余りものの有効活用は結局は只の無駄遣いに終わる。
  • 自家収穫2キロ。通販購入2キロ。合計4キロ。4ロットの梅仕事。

余った梅酢の使い方


梅干しを作ると副産物で梅酢が出来る。梅酢はわざわざ市販品を買う人もいるくらい用途は多い。にも関わらず、手作りの極上の梅酢を持て余す。

梅酢漬

梅酢漬けにぴたっと来る野菜は、カブ(カブラ)、ミョウガ、新ショウガヤマイモ。これに限る。

今一というか経験が必要なのは、キュウリ、ナス。梅酢が絡まなくてもこの2つは定番で、舌が馴染んでいる分、評価は容赦がない。

ダイコンの梅酢漬けは失敗の率が多い。ニンジンは殆ど無理。



梅酢漬けでは、また梅酢が残るから、野菜のエキスも入ってうま味も出ているから、煮物や飯物に使うのが良い。普通のご飯や煮物に少し入れる分には只の隠し味として魅力的だ。



梅酢飯

具材たっぷりの炊き込みご飯(梅酢の炊き込みご飯)に使おうと思ったが世間のレシピは梅風味に利用するだけで今一。それでも、米と梅酢と昆布茶でご飯を炊いて炊き上がりにしらすと大葉刻みを散らしても美味しそうだ。

組み合わせは好みで色々工夫できるが、季節柄、夏の食欲不振を跳ね返すには、梅しらす飯が一番ぴったり来る。



梅酢煮

梅酢を使ってさっぱりした煮物を作る。梅酢が無ければ梅と酢を使っても同じことが出来る。じっくり煮込むスタイルを取るので夏野菜の場合はむしろソース~ドレッシングとして使った方が適当だろう。


◇青魚の梅酢煮
  • 主な材料
  1. 青魚。イワシ(鰯)またはサンマ(秋刀魚)またはアジ(鯵)。
  2. 梅酢(または酢)、ショウガ(スライスまたは針切り)、みりん(AND/OR砂糖・黒糖)、醤油、酒、水、鷹の爪、ネギ(好みで)、ゴボウ(好みで)(カットして冷水で灰汁抜きしておく)、梅干し(好みで)。
  • 手順
  1. 魚(鰯~秋刀魚)は頭・尻尾・内臓は取り除き水洗いする。水気を切って、適当なサイズにぶつ切りする。鍋の底に平たく綺麗に並ぶサイズ。
  2. 生水は最初に鍋で煮沸させて沸騰したら火を止めて梅酢を加えて馴染ませる。青魚の場合、生水のまま使わないこと。
  3. 水の量は魚を入れた時の高さの2倍程度。骨ごと食べることができるようにじっくり煮るので、水は少な目より多目がよい。。
  4. 魚を並べる。多分、水の高さは魚の高さの2.5倍程度になる。
  5. 最初は強火にし、煮沸したら弱火に戻す。そのまま30分程度、煮汁の高さが魚の高さの1.5倍ぐらいになるまで煮る。ゴボウを入れる場合は最初から一緒に煮る。
  6. 途中で灰汁取りをする。
  7. 残りの材料を入れる。魚を傷つけないように注意する。
  8. 味が馴染んだ頃合いに必ず味見をしてください。
  9. 弱火または極弱火で煮汁がなくなるまで。焦がす直前まで煮る。
  10. 焦がしたら1時間の苦労が水の泡です。少々煮汁が残っている段階で蓋を録り、水蒸気を追っ払ってから、火を止める。焦げは魚が焦げる前に煮汁が焦げるのでタイミングを間違えないように。
  11. シソの実は食感が気になる場合は入れない。粗切りの梅干しの果肉の方が良い。

◇鶏豚の梅酢煮
  • 材料
  1. 鶏肉または豚肉。部位は好みで。
  2. 野菜。ゴボウ(好みで)、ニンジン(好みで)、キノコ(シメジ、エノキ)(好みで)、ショウガ、ネギ(好みで)、ニンニク、ゆで卵(好みで)、コンニャク(好みで)、タマネギ(好みで)、インゲン(好みで)。
  3. 梅酢(AND/OR 酢)、みりん(AND/OR 砂糖・黒糖・蜂蜜)、酒、水、醤油、鷹の爪。
  • 手順
  1. 肉は適当なサイズにカット。少し大きめにカットした方が形は良い。小麦粉を振っておく。
  2. フライパンでニンニクと肉を炒める。ニンニクは焦がさないこと。根菜・キノコも追加して炒める。
  3. 水を加えて最初は強火で、煮立ったら弱火にして梅酢を加えてことこと煮る。灰汁と余分な油を取る。
  4. 残りの具材・調味料を入れて煮る。
  5. 煮汁が無くなったら終了。
  6. 好みで入れる野菜などは品数は少なめに。あれこれ入れると味のぼやけたもの(お煮しめ風)になる。使う肉の種類で好みで選別してください。


余った梅酢の扱い


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余った梅酢の扱い
  1. 夏のうちに料理に使う。
  2. 保存はガラス瓶を使う。金属は使わない。蓋も要注意。
  3. 年を越したら、炊き込みご飯で使い切るか、捨てる。
梅干を作ると梅酢が出て来る。

梅酢の使い方は、梅酢漬けか梅酢煮が普通。

梅酢漬けはその年の野菜で作るので、7月、8月、9月までに使う。

梅酢煮は、青魚の場合は、アジ、イナダ、サンマ、イワシなど。近海物は季節感は薄いが、7月、8月、9月に使う。

鶏豚の梅酢煮の場合は、季節感を大切にするなら、やはり、7月、8月、9月、 が良さそうだ。

梅酢漬けで使った梅酢は煮物に回し使いをしても問題ない。その場合は時間をおかず直ぐに使い切って欲しい。野菜のうまみが出ているので、より美味しい仕上がりが期待できる。



ここで、検証していたのは、梅干を作って出て来る梅酢の保存はどうするかということ。冷蔵庫でも食品庫でも、保存しておいて何時でも使えるようにするのは一見よさそうに見えて実は無駄ではないかと言う疑問がある。

フレッシュでない梅酢を使う気がするか。ボトルに入れておいても結局は無駄になるような気がする。結局、9月いっぱいで使い切るのがよさそうだ。

⇒梅酢は7月、8月、9月で使い切る。もし余ったら、500ミリリットル程度までならガラス瓶に入れて、保存。その年のうちに使いきることにしよう。翌年の3月にもし残っていたら、黙って炊き込みご飯に入れる。炊飯器の掃除にもなるかも。



梅酢を使った料理

調べると色々ある。面白い。


古い梅干し(昨年・一昨年の梅干し)の土用干し


古い梅干し(昨年・一昨年の梅干し)の土用干し

古い梅干しはどうするかという話です。

(1)何もしない

何もしないでそのまま消費して行く。全く何も問題ありません。好みの味で落ち着いているなら何もしないのが一番でしょう。保存環境としてもカビの様子など無ければ特に言うことありません。王道かな。

(2)土用干し

土用干しをする。目的の一つは殺菌です。冷暗所とはいえ基本的に常温ですからリスクはありますので年に一度の殺菌を行います。目的のもう一つは、硬さ~柔らかさ~ふんわり感などの調整、塩分の調整を行います。但し、日なた臭さを気にする人は返って味を落とすことになりかねません。味への不満が少なければ避けた方がいいでしょう。

手順

昨年の梅酢を使います。冷蔵庫に入れておいたものならそのまま使いますが、常温においていた場合は念のため、梅酢だけ土用干しにします。1日で十分でしょう。

古い梅干しの入った容器に梅酢を入れます。昨年の梅酢が残っていなければ市販の梅酢を利用しても構いませんが、塩分濃度を抑えるには酢(リンゴ酢など好みのもの)を入れて薄めます。塩分濃度は味と保存性の観点で決めます。昨年のレシピなどメモが残っていない場合は実際に味見して推定してください。味見の方がメモより確かです。

梅酢に漬ける時間は2,3日~1週間程度。冷暗所に置きます。

晴れの日が数日続くころを見計らって土用干しを行います。少々曇っていても紫外線や赤外線も飛び交っているので、完全な晴天である必要はありません。

土用干し用の笊(ザル)などに、年度別に並べて干します。雨が当たらないけど、日差しが来るような場所を探します。風通しがあれば室内でも構いません。

夜露の効果が欲しい場合は、外に出すか、梅酢を塗りつけるか、焼酎を噴霧するか、適当な手段をとります。

土用干しの期間は2日程度。目的に応じて適宜調整させます。

今まで使っていたボトルもきれいに洗って殺菌処理(熱湯処理または焼酎処理)しておきます。

ボトルに戻して上から焼酎を噴霧して保存します。

赤シソは、同様に土用干してやりますが、どろどろで形を失ったような程度が著しく悪いものは除去します。ボトルに戻すときは梅干しの上に乗せるようにします。

.2014-07-16-梅酒(Brandy)


<材料>


  • 1キログラム(34粒)
  • 豊後梅
  • 農村の直売所で購入
  • 2L前後。

  1. 痛み(虫食いなど)が多く一級品とはとても言えない。自家栽培の梅より見劣りする。こういう梅は今後は決して使わないこと。満足度が著しく下がる。農家のアルバイトみたいに出てきた梅でなく、本業の梅農家の本物を手に入れましょう。


  • サントリーの果実酒用ブランデー
  • 18リットルパック入り
砂糖
  • ロックシュガー
ボトル
  • 4リットルに空きが無いため、2リットルボトルを2つ使う。

<手順:特記事項>
  1. 豊後梅は紙袋に入れて3日間追熟。
  2. 2本のボトルで平行して作業。
  3. その他の特記事項はない。

<2014-07-16の成果>

ボトル1(広口ビン)
  • 梅の実:16粒
  • 砂糖:200グラム
  • ブランデー:800ミリリットル

ボトル2(細長ビン)
  • 梅の実:18粒
  • 砂糖:250グラム
  • ブランデー:1000ミリリットル
  1. 冷暗所に保存。


<2015-06-25現在>

パントリーにて継続して常温熟成中。そろそろボトルを一つにまとめたい。



2016/07/09

2Lボトル2つに分けていたものを1つの4Lボトルに纏める。梅の実も一緒に移す。ボトルに空気スペースが多い。 そろそろ熟成ボトルから、梅の実を抜いて、保管ボトルに移すことも考えるべきか。2年熟成だから時期的にはちょうど良さそうだ。多分、2Lボトルに液体だけなら収まるだろう。

大人が美味しい究極の梅シロップを手作りする


大人が美味しい究極の梅シロップを手作りする

そんなこと素人に出来る訳がない。でも何かやってみないことにはチャンスはない。

凄いテーマだね。ここで大人は女性ではなく男性です。自炊料理で日ごろ訓練している女性にはなんでもないことが男性には難しいので、其の分、本物本質だけのシンプルが基本的なアプローチになります。

甘いだけのシロップは酒に弱い人に譲りましょう。ここでは大人の男性がすっと飲めるシロップを目指します。

<塾梅バージョン>

完熟梅を使います。サイズは2L3L。大きいほどいいです。完熟梅を購入しても、青梅を購入して追熟させてもいいです。追熟は紙袋に入れて2、3日間ほどおけば黄色く色づいて芳香を放つようになります。

梅は洗って、下手を取り除きます。下手の周りに汚れが蓄積されているので丁寧に作業。

水を切って乾燥させ、焼酎かブランデーを噴霧して殺菌して置きます。

熱湯消毒済みのボトルを用意します。ボトルは空気が入り込まないように量に見合ったコンパクトなものを選択します。

ボトルに梅を入れます。

ロックシュガーを入れます。普通のシロップは梅と同量ですが、大人バージョンは半量または3分の1程度と少なくします。好みで量を増やしたり砂糖の種類を変えてもいいでしょう。

ブランデーを入れます。ブランデーの量は梅の3分の1程度。好みで量を変えたり、焼酎を使ってもいいでしょう。焼酎のにおいを気にする人はブランデーを使う。

砂糖が溶けるまでは梅が空気に触れるので冷蔵庫に保管します。冷蔵庫が使えないときは冷暗所。発酵して泡を吹いていないか時々チェックします。

砂糖が溶けて液体の中に梅が沈む(浮く)ようになったら冷暗所に保管します。ずっと冷蔵庫においても構いません。

保存期間、熟成期間は好みで。夏に漬け込むのでクリスマスとか正月辺りから健康飲料のつもりで飲み始めてもいいです。1年置いて翌年の梅雨時から飲み始めてもいいでしょう。せっかく完熟梅を使うのですから1年漬けを狙うのが良さそうです。

飲みたくなったら、ろ過して他のボトルに移します。残った梅はジャムとか菓子の材料に利用できますが、男は何も出来ませんからとりあえず冷凍室で保存?。

後は、ストレート、水割り、ソーダー水割などで楽しみます。ヨーグルトとかかき氷とかに掛けてもいいでしょう。ひたすら消費します。



<青梅バージョン>

熟梅は熟成に拘りますが、青梅はスピードが大事です。手順は熟梅と同じですが以下に注意します。
  1. 青梅を使う。
  2. ロックシュガーは予め砕いておくか、ペレット上の小粒のものを使う。あるいは粗目状、粉状の砂糖を使う。
  3. ブランデーよりホワイトリカーの方が相性が良さそう。少量入れる。 梅の5%~10%程度。
  4. 漬け込んだら毎日ボトルを動かして砂糖が溶け切るのを早める。
  5. 梅の変化(しわしわになる程度)が感じられなくなったら漬け込み終了。2週間~1ヶ月。
  6. ろ過して飲み始めます。
(青梅バージョン邪道の追加)
  1. 青梅バージョンは速成狙いで、熟成は目指さないので、邪道も成立します。
  2. 一晩~2時間ほど青梅を凍らせて利用する。凍らすと組織破壊が進みやすい。
  3. 同様に、直接物理的に破壊する。フォークで穴を開ける。穴は表面に軽くあけるだけで十分。深い穴は不要。
  4. 軽く穴を開けてから凍らせるのは邪道の極み。
  5. 邪道は青梅バージョンのすっきり感を幾分阻害するはずです。罪の意識も手伝ってあまり美味しく感じません。酒に弱い人が楽しむならアルコールの量は微量~10分の1くらいに抑えておきます。

正統派ブランデー梅酒の作り方


正統派ブランデー梅酒の作り方

梅酒を自分で美味しく作りたいがまだ実績が無いのでしっかりした方法論には至ることができない。

焼酎はどうも匂いが気になる。基本的に無味無臭のはずだが、焼酎で果実を漬け込んでもどれもこれも似たような臭い味になる。焼酎が好きな人は何も気にならないでしょう。

ということで、今年は試しにブランデーで梅酒を造ろうと思う。

ブランデー梅酒の作り方

あちこちのレシピを眺めてみた。あまり参考になるものは無い。これはと言うのがないのは方法論が特に無いと言うことだ。工夫のしようが無い。

<ブランデー>

焼酎は臭いからブランデー、とここまでは普通。

サントリーの果実酒用にパックに入れて販売しているものを使うの普通。チョウヤからも出ているが幾分甘いらしい。ブランデーベースリキュール。そのまま漬け込める様にしてあるんだろう。頑張る向きは普通にブランデーVO辺りを購入して使うようだ。

度数は先のパックだと35度。VOなら37度程度。濃度が高ければ梅の実からエキスを吸い出す力も強いのかな、余計なものまで吸い出して返って味が落ちるかも知れないが、兎に角、複雑な味は期待できる。ピュアな味に拘るなら30度とか25度とかにチャレンジする発想も無いではないが、ブランデーは最低レベルが40度だから、ブランデーの薄味?は成立しない。

濃度が低くなると、雑菌による腐敗のリスクが高くなることに注意が必要だ。梅は梅雨または梅雨明けで雑菌の繁殖もし易い時期だ。

<梅>

其の年、どんな梅が入手できるかは自家栽培の梅でもない限り半分運任せ。寒冷地の時期遅れの梅を通販などで購入するのは作戦として上出来だろう。梅雨の少ない青森から北海道のものは品質も安定しているのではないか。

青森産の青梅の2L3Lを購入する。

焼酎で漬ける場合は必ず青梅を使う。クール便で贈られてきたものを直ぐに処理する。理由は、もちろん好みだが、青梅のすっきりした清涼感と焼酎のさらっとした味わいで軽いさわやかな梅酒を目指す。梅の中のエグミは引き出さないように注意する。傷つけたり凍らせたりは論外。漬け込む期間は1年~3年。漬け込んで半年で飲み始めても美味しく楽しめるはずだ。

ブランデーで漬ける場合は、青梅のまま利用するのいいが、もちろん好みですが、追熟させてから利用します。紙の袋などに入れて置けば呼吸しつつも自己発生するエチレンガスで熟成していきます。追熟期間は環境にもよりますが、2,3日で十分でしょう。色が黄色くなってフルーティな匂いが充満してきます。追熟しすぎると形が崩れてきます。さらに放置するとエキスが染み出てきます。追熟させすぎると梅酒は諦めてジャムかシロップにすることになります。1週間も放置すると多くの場合は危険水域でしょうね。

自家栽培の梅ノ木からの収穫は少し難しいですが発想は通販と同じです。すなわち樹上で熟成させることはしません。ばらつきが出るので後処理が面倒です。樹上に置くと落果も出ますから尚更難しい。ということで、全体としてはまだ青いうちに収穫します。後のやり方は通販の青梅と同じです。

<砂糖>

焼酎の場合は氷砂糖以外の選択はありません。もちろん好みで甜菜糖、黒糖、黍糖などミネラルの多いものや、和三盆など調整したものでも、何でも構いません。

ブランデーの場合は、素材(梅)の風味を大事にしたいならやはり氷砂糖がベストでしょう。もちろん好みは勝手です。黒糖好きの人は何に黒糖が入っていても美味しく楽しめます。氷砂糖も大粒のロックシュガーと小粒のものがありますが、ゆっくり溶ける大型のロックシュガーを使いたいところです。

<量のバランス>

梅:1キログラム
酒:18リットル
糖:ここが問題です。青梅焼酎なら300グラム。熟梅ブランデーなら500グラム。ドライ系が好みなら100~150グラム少なくします。

甘いだけの酒は日本酒でもワインでも美味しくない酒か変り種の酒と相場は決まっています。

すっきり焼酎系も甘いのはご法度。せいぜい400グラム。砂糖を全く入れない選択肢もありますが、オンザロックもありますから200グラム程度は入れておいた方が飲みやすい。

熟成ブランデー系は熟梅で甘口になりがちだが、とろ~んとした濃厚感を楽しみたいので糖分は多くても気にならないだろう。400グラム~500グラムが相当か。

<手順>


  1. 梅を冷たい水で洗う。
  2. 蔕(ヘタ)を串の先などで外す。ここは汚れも溜まっているので慎重に且つ丁寧に且つ確実にとること。まだヘタにならず決して剥がれないものは丁寧に洗うだけで良い。無理に取ると梅を傷つけてしまいます。
  3. ヘタを外した跡にも汚れがありますからもう一度きれいに洗います。
  4. ザルなどに上げて水を切ります。きれいな布巾などで水気を取ります。布などの繊維が残るものは使わないこと。台無しになります。それを避けるときは水を切ってから消毒用の焼酎かブランデーを噴霧して自然乾燥。
  5. 梅酒を漬け込むボトルは予め煮沸消毒。フライパンか広口の鍋に冷水を入れてボトルを載せ、ボトルの中にも冷水を入れます。そのまま静かに加熱して温度を上げていきます。加熱消毒が終わったら火を止めて中野お湯を捨てて静かに冷まします。次の工程まで時間が空く場合は焼酎かブランデーを噴霧して蓋をしておきます。
  6. ボトルに梅を静かに入れます。長い箸でつまんで入れても傾けて転がして入れてもいいです。要はボトルの底にぶつけるように入れないことです。
  7. 氷砂糖(好みで何でも)を目標量入れます。漬物ではありませんから交互に入れる必要は全くありません。手順の中でどうせ全部底面に沈みます。
  8. ブランデーを注ぎいれます。最初に氷砂糖を入れて其の上に梅を載せ、其の上からブランデーを注いで構いませんが、梅がブランデーの表面から顔を出すようにしてはいけません。比重の関係で梅が浮いてしまうこともありますが、其の場合は出来るだけ小ぶりのボトルを使って中に入る空気の量を減らすように考慮します。粉糖を使うと砂糖は直ぐに溶けて比重が上がるので梅は浮きやすくなりますので予めご注意ください。
  9. 蓋をする前に、蓋とボトルの縁(ヘリ)の殺菌のため焼酎かブランデーを噴霧しておきます。
  10. 蓋をしっかり閉めて冷暗所に保管します。
  11. 最初は数日おきに、次は数週間おきに、最後は数カ月おきにチェックします。不良発酵など異常の有無をチェックします。ゆすったりひっくり返したりして砂糖をことさら速く溶かす必要はありません。出来るだけゆっくり溶かしえエキス抽出もゆっくり進めます。
  12. 最初の夏を無事に乗り切った場合、10月ごろ涼しくなってきたタイミングで蓋を簡単に開けられないように適当なもので蓋をシールします。
  13. 半年もたてば十分楽しめる水準になりますが、掛けたコストと時間に相応しいレベルを望むなら2年間我慢しましょう。
  14. 飲み始めたら3ヶ月間を目処に飲みきりたい。不味かったら潔く料理に使う?(要レシピ?)。

黒糖完熟梅シロップ

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<Review>

昨年の梅シロップがまだ残っていて冷蔵庫で寝ている。1年寝かした梅シロップがどんなものか?興味深い。多分、甘酸っぱいだけでしょうね。丸い味になっているか、不味くて飲めなくなっているか。

昨年の反省は、砂糖を入れすぎてやたら甘いシロップになってしまったこと。炭酸で割って飲むのですが、それでも少し甘さが勝ちすぎていた印象だ。焼酎で補完するのが普通の感覚でしょうが、焼酎の癖のある味もあまり歓迎できない。



今年の作戦

  • 梅の選択。ピュアな味を期待できる青梅か、 または果実酒の果肉味の雰囲気が楽しめる完熟梅か。店先で良い出物がどちらでも好みで。今年は完熟複雑濁り系でやってみたい。
  • 梅の量。少なめに。1キロでも多いが普通は1キロ単位だから。800グラムなど見つけたら採用だな。もっとも、大家族で大型冷蔵庫でもあれば普通に作っていいでしょうが、飽きやすい味だし、冷蔵庫を長く占拠されても困る。1週間程度で美味しく頂いて終了させたい。
  • 砂糖。青梅の場合は小粒の氷砂糖。普通のグラニュー糖でもいいし、大粒の氷砂糖でもダメな訳ではない。完熟梅の場合は黒砂糖、甜菜糖などミネラルを含む砂糖を使って更に複雑な味を狙っても面白い。さらに完熟梅を冷凍させて使用してエグミ(?)を積極的に利用したい。
  • 砂糖の量。梅に1キロに対して通常使う砂糖の量の6~8割に減らす。昨年の反省。大目に考える人は梅1キロに砂糖1キロ。これは流石に多すぎる。業務用なら良いだろうがホームメードでは辛い。沖縄純黒糖500グラムで如何だ?。見た目最悪の癖大有りの健康梅シロップが期待できる。
  • 冷蔵庫利用。最初から最後まで冷蔵庫(野菜室)を使用する。 毎日上下を替えるなどして浸透圧現象を促進する。1ヶ月待ちましょう。なお、作業の前、終了時には焼酎噴霧で消毒を徹底する。
  • 毎日上下させて一月経過したら、液体を濾過して別の小振りなボトルに移す。それを低温で数分温めて殺菌する。味も和むはずだ。再び冷蔵庫に戻して1~2週間で飲みきる。今回は複雑系の味になっているはずだから健康飲料のつもりで飲む。癖になれば幸いだが、その可能性は10人に数人止まりだろう。


黒糖完熟梅シロップ
  • どうみても不味そうだ。実際に作る前から失敗している感じ。
  • 炭酸で割るより、カキ氷とかアイスとかヨーグルトとかに掛けるのが良いかな。
《作り方まとめ》
  1. 梅は2L以上の完熟梅。青色・黄色混在のときもあるだろうが入手後、紙袋に入れて追熟させる。オレンジ色にまで持っていくのは難しいから全体が黄色で芳香も十分なら申し分なし。
  2. 完熟梅は灰汁抜きは必要ないとされるが味にこだわる場合は2時間~4時間程度冷水に漬けておく。氷を入れてはいけない。冷水から常温水に戻る過程で灰汁抜きを達成する。
  3. 梅を洗う。ヘタを取る。ヘタのところの汚れも取る。傷があるものは傷の部分をカットする。梅シロップの場合は全体を除去する必要はない。因みに、梅干しと梅酒の場合は実の形を長く楽しむので傷物は実ごと除去する。だから、梅シロップを作るのは最後の梅仕事になる。
  4. 洗ったら水気を切って焼酎またはブランデーを噴霧しておく。
  5. 十分消毒したボトルに梅を入れる。
  6. 梅1キログラムに対して、砂糖は500グラムを目安にする。好みで最大800グラム~最小300グラム。砂糖の全量を黒糖とするか、黒糖と氷砂糖のミックスにする。黒糖は沖縄物産の店には上物もあるし、粉に近い状態の物もある。好みのものを購入する。
  7. ボトルに先ず梅を入れ、その上に砂糖を入れる。梅と砂糖を交互に入れる意味は殆どない。
  8. ボトルは空気が必要以上入らないように出来るだけジャストサイズのコンパクトなものを使う。
  9. 砂糖の上からブランデーを注ぎいれる。好みで焼酎でも構わない。ブランデーの量は梅1キログラムに対して100ミリリットル~200ミリリットル。殺菌と風味が目的。
  10. ブランデーまたは焼酎を噴霧して消毒してからボトルを密閉する。
  11. 冷蔵庫に保管する。発酵を回避する。
  12. 砂糖が溶けて世間が涼しくなったら(秋になったら)、冷暗所に移してもよいが、可能なら冷蔵庫保管を続ける。
  13. 仕込んでから1ヶ月~6ヶ月の間に、中の梅を取り出し、液体は濾過して、別の容器(小さなガラス瓶)に移す。梅を長くつけると雑味が出てくるとされるが、今回コンセプトではあまり懸念しなくて良さそうだ。
  14. 小さなガラス瓶を湯煎などして低温殺菌する。蓋はしたままで短時間で終えること。湯煎はアルコールを飛ばし風味を更に魅力的なものに変えることも期待します。
  15. 密封して冷暗所に保管する。冷蔵庫もOK。開封後は冷蔵庫に保管。
  16. 最初に仕込んでから30ヶ月以内に費消させましょう。時間が長く過ぎると想定外のことが発生する懸念がありますから。




今年も梅仕事の季節が来た


今年も梅仕事の季節が来た

今年も梅仕事の季節になったようだ。近所のスーパーへ行くと、青梅、焼酎、付け込み用のボトルなど必要なもの一式が並んでいる。お仕事ですよ!と言っているみたい。

しかし、

今年は野放図に何でも作るのは止めよう。昨年、一昨年、その前年と梅仕事を見よう見真似で続けてきたが、最初の年に作った梅干しが一番上出来で、年毎にだんだん下手になる。気合を入れるほどに結果は悪い。皮肉なものだ。

今年の方針:

(1)新規は少量厳選
(2)ストック品のクオリファイ(品質改善)



(1)

今年の梅酒は自家栽培梅(白加賀)利用を一番手に考える。他所からの購入梅は使わない。落果が始まるまで収穫しない。一斉にもぎ取って漬け込む。見込みとしては1キロ~2キロ。

今年の梅干しは農協・生協・通販などを比較し、ベストな完熟梅を購入して1ボトルだけ作る。減塩梅干しにはしないこと。目標20%。赤シソ利用。調達は1キロ~2キロで十分。

(2)

ストック・クオリファイは忙しくなりそうだ。

梅干し:

今年作った梅酢で漬け直してから、土用干しを行なう。年度別の分離は必ずしも必要ない。美味しいものから食べればよい。

梅酒:

2年経過したら少しずつボトルに移し試飲する。他は床下収納に移動。夏場は必至。

リンゴ酒:

紅玉と焼酎は風味的に合わない。味音痴は兎に角、紅玉の微妙なタッチが焼酎でスポイルされてしまう。リンゴ酒作りは取り止め。既に作ったリンゴ酒は瓶詰めにして封印。ソーダー水で割って少しずつ消費する。

自家栽培の紅玉は、アップルパイに利用する。果肉の入るアップルパイの方が正しい利用だろう。残りは生ジャムにする。紅玉生ジャムの製法は別途。

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