案外難しい樹上完熟梅の収穫
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- 梅の通販などでは平気で「樹上完熟」の文字が並ぶが、実際にやるのは難しい。
- 自然摘果、自然落果した梅には臍(へそ)蔕(へた)が付いていません。スポっと外れて落ちるからです。
- でも、自然に落ちたら完熟かと言うと話は別です。完熟前に落ちてしまう梅はとても多い。
- 例えば、白加賀は黄色く色づく程度にはなりますが、それ以上は堪え切れずに自然落果します。簡単に追熟できるのでもんだいはありませんが。
- 豊後は樹上完熟が得斬る品種のようです。自然落果するものもありますが枝に付いたまま鮮やかなイエローになります。
- 露茜は豊後の系譜の品種で、豊後のように自然落果のそぶりも見せません。樹上で桃のように赤く色づいてきます。
- 梅仕事の観点で見るなら、本来の意味の自然摘果(間引き)は放置するとして、樹上完熟を狙う収穫は、落下したものより、樹上から収穫する方が、品質が揃って作業の効率がよい。十分大きくなって自然落果が始まったら、樹上収穫とします。
- 白加賀はタイミングが早く来ます。
- 豊後系は白加賀より遅れるタイミングですが、いくら待っても切りがないので、色と匂いを確認して 収穫します。
- 長く置くと、虫の被害、鳥の被害もありますし、果皮が日焼けして味を損ねます。早く収穫して、屋内で追熟させる方がはるかに良質な梅に出来ます。
- 「6月は出来るだけ遅く、7月は出来るだけ早く」を心がけます。梅の実のサイズを大きくするために早撮りは禁物ですから6月は我慢する心構え。上質を心がけて、7月になったら(梅雨明けの強い日差しになる前に)は早目に収穫する。