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理想の塩分0.8%の梅干しを作る




理想の塩分0.8%の梅干しを作る

なぜ、0.8%が理想の塩分濃度か?

海から生まれた動物は海の塩分の影響を受けざるを得ない。動物体液の塩分濃度を海の塩分濃度から分けてコントロールできるかどうかは動物の海からの脱出、淡水への進出、陸上への進出などに重要な要件となった。生物の進化などを読むと本当のことが解説されているでしょう。

人間は陸上生活が普通になっていますが、体液には一定の塩分の残しています。その濃度は、0.8%~0.9%程度らしいです。この濃度の食物・飲料最も負担のない摂取物ということになるらしい。塩分の無いものばかり、あるいは塩分の多いものばかりを摂取すると身体にとって負担になる。

だから、塩分濃度1%程度の梅干しなら、とても優しい味になるだろうと思います。

昔は、梅干し1つで食事(ご飯)を食べることが出来た。貧乏人の誉れ、「日の丸弁当」だ。ご飯が200グラム、梅干しが20グラム、塩分2グラムなら丁度1%で味のバランスは悪くなかった。 このときの梅干しの塩分濃度は10%になる。昔の塩味のきつい梅干しにも道理はあったということだ。

今の食生活はご飯は余り食べない。おかず(副食)中心の食事では、あちこちに塩分が含まれているから、10%塩分濃度の梅干しは塩辛くてとても食べられない。意図的に副食を控えて茶漬けにして食べるのが正しいだろう。そうすると栄養バランスを崩してしまうので、梅干し茶漬けは年1回の贅沢になる。

普通に食べられる梅干しは、やはり1%塩分を目指すのが正しい。



ご飯40グラムに梅干し1個(20グラム)を食べるなら、2%塩分の梅干しを作ればよいし、口休めにすとんと食べるなら1%塩分の梅干しを作る。



一方、海水の塩分濃度はと言えば、3.5%前後らしい。人の体液の塩分濃度の約4倍。海水をそのまま口にすると結構しょっぱい訳だ。



塩分1%梅干し

この程度の塩分では既に腐敗しない保存食品という訳にはいかない。だから、作り方も従来の自家製梅干しとは異なる注意が必要になる。

(1)冷蔵庫を使う。梅干しは発酵食品で無いので梅干し利用はなんら影響ない。
(2)保存用ポリ袋を利用する。狙いは空気を追い出すこと。
(3)高度数アルコールの利用

(容器)

業務用ではありませんから壷とか甕とか不要。中途半端なサイズで自家製でやると密封がいい加減になる心配があります。

 (土用干し)

低塩分の梅干しの土用干しは超難関。虫(特にハエの類)をシャットアウトできる環境、直射日光を受ける環境、夜間の冷気・夜露を受ける環境、 これを3日間続けられる。業務用に意図的に作った環境でなければ至難。

そもそも土用干しとは何か?

天日干しによる風味の獲得(人によっては日向臭いといって嫌うこともあります)、日中水分を奪い、明け方夜露で水分補給するサイクルによる熟成感の獲得。また皮部分の伸び縮みによる食感の改善。

土用干し本来ではありませんが、ポリ袋を使って超簡単に似たようなことが出来ます。

梅酢が上がって、土用干しの時期になったら、梅酢だけを取り出して、再度密封し、天日干しします。温度が上がって蒸気が出て ポリ袋が膨らむ加減によっては、少しだけ密封をといて空気が逃げれるようにしてやります。蓋が透明の容器(鍋など)を利用してもいいでしょう。

夜は冷蔵庫に戻します。アルコールの霧吹きをしても良いし、梅酢に戻しても良い、何もしなくても良い。日中、水蒸気を開放していたかどうかも考慮して、好みの水分量を図る。

日中は埋めの中の水分を自然蒸発で追い出す。梅のエキスは梅に留まる。夜間は梅に水分が戻る形を意識する。

ポリ袋の開封の時は課ならアルコール噴霧消毒を怠らないこと。
直射日光には連続1~2時間は当てる。温度が十分あがりそうもないときはスキップ。水分補給サイクルを3回はやってみよう。(注:土用干しをやらない人もいるくらいだから極端な話0回でもいい。最大数は決まりはないが5回もやればやりすぎだろう。

保存は必ず冷蔵庫。冷暗所では心もとない。
土用干しが終わって最終保存も冷蔵庫。最終保存を梅酢につけておく場合は早めの消費が望まれる。3ヶ月を目処にしよう。

梅酢を切って、空気を追い出して密封する場合も、冷蔵庫に入れること。消費は1年以内。翌年の5月頃まで(梅雨時になる前)に消費完了。

その他の一般的な手順は従来どおり。

長期熟成のできる梅干しは塩分の高いものでやってください。





これ、0.8%梅干しは絶対無理でしょう。それに出来たとしても美味しくない。ポカリスェットを初めて口にしたときのような不味さ。酸味が強いのでマサカポカリと同じということはありませんが、味としてのバランスは悪そうだ。現実的な目標としては、海水レベルの3.5%辺りでしょう。

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