正しい「減塩梅干し」の作り方
梅干しの味を知っている人なら市販の減塩梅干しを口にして愕然としたことでしょう。戦後世代、平成世代は本当の梅干しを食べていないので、あの不味いのが梅干しの味と思い込んでいるかもしれない。あれは添加物の梅風味にすぎない。
という事でそれでは自分で作ってみようということになるが、「間違いだらけの減塩梅干し?」にならないようにポイントを検討しよう。
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どこからが減塩?
昔は30%が標準だったから、20%でも相対的に減塩でしょうが、今は20%が標準レベル。今、普通に梅干しを作るときは20%が適度だ。
減塩を思考する場合は、今は15%以下を想定することが多い。中でも5%以下は超減塩の領域で、病人食・病院食・老人食かな。
- 30%±5%:辛口(最強の梅干し)
- 20%±5%:中口(梅干し本来の味が楽しめて丁度良い)
- 10%±5%:甘口(減塩。カビなどのリスクあり。味はややボケる)
- 5%未満:極甘口(超減塩。保存食として無理がある。最早梅干しの味はしない)
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目指す塩分
- 10%~20%を目指すのが不通。
- 梅干し作り(カビ対策)に慣れていたら15%でも良いだろう。
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漬け込み
- (前準備)
梅を洗って灰汁抜きをした後に十分乾かすこと。30分程度は自然乾燥。 - (ポリ袋)
- ポリ袋を利用すること。1kgごとに1枚のポリ袋を使う。空気を追い出して使う。漬け込み樽などは使わない方がいい。上下の入れ替え処理で空気に触れる機会が増えて好ましくない。
- (場所)
漬けこみ場所は冷蔵庫または野菜室がいい。床下収納やパントリーでもいいだろうが、冷暗所。光を当てなければカビの発生は軽減できる。梅干しは発酵漬物では無いので、温度のファクターは大きくありません。 - (重石)
ポリ袋利用の時は重石は必要ない。但し、ポリ袋を上下に重ねることで弱い圧を加えることは出来る。果肉組織の破壊に一定の効果は期待できる。
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土用干し
- 土用干しは減塩梅干しにとっては大変危険なイベント。空気に晒されて空気中のカビが付くリスクがピーク。
- 夜露の変わりにホワイトリカーを噴霧する。今時、夜露が期待できる環境は限定的でしょう。都会のマンションのベランダなどでは梅が汚れてしまいます。大きな道路が近くにあるときは窓際で土用干しが無難。
- 梅酢も土用干しすることもあるようだが、減塩の場合は返って駄目にするだけかもしれない。
- 夜間だけ梅酢に戻すやりかたは減塩の場合はカビのリスクを促す。乾燥させておいたほうが良いだろう。朝方だけ梅酢に漬けるのも同様だ。
- 期間は2泊3日。初日の午前中にスタートして、3日目の午後明るいうちに取り込む。取り込みは4日目の午前中でもよい。表皮の乾燥と熟成を十分にしておく。
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保存
- 土用干しをどのように終了するか。少なくとも表面はよく乾燥させる。梅酢には戻さない。
- パックに小分けして冷蔵庫保管。
- 十分に殺菌して完全密封できたら冷暗所保管でも可能。筈です。スペースに余裕があれば完全密封できても冷蔵庫を利用したい。
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